はじめまして。 お茶の水女子大学人間文化研究科の佐久間路子と申します。 HICLAS(Hierarchical Classes Analysis)について教えていただきたく、メー ルいたしました。 HICLASとは DeBoeck & Rsenberg(1988) Hierarchical Classes: Model and data analysis. Psychometrika, vol.53, 361-381 に論文化されており、その後、パーソナリティや自己の個人での多面性を階層 構造としてとらえる方法として以下のような論文で使用されています。 Ogilvie, D. M., & Ashmore, R. D. (1991). Self-with-other representation as a unit of analysis in self-concept research. In R. C. Curtis (Ed.), The relational self (pp.282-314). New York: Guilford Press Rosenberg, S., & Gara, M. A.(1985). The multiplicity of personal identity. In P. Shaver(Ed.), Reviews of personality and social psychology vol.6, (pp.87-113). Beverly Hills, CA: Sage. 実際には、具体的な他者(例えば、母、先生、親友、恋人、先輩)と一緒にい るときの自己について、形容詞をあげてもらい、他者×形容詞のマトリックス を作成し、当てはまる場合は1、当てはまらない場合は0と評定させます。 マトリックスの例 やさしい 明るい おしゃべり 神経質 わがまま with 母 1 1 1 1 1 with 先生 1 1 0 1 0 with 親友 1 1 0 0 0 with 恋人 1 0 1 0 1 with 先輩 1 0 0 1 0 この評定をもとに他者と一緒にいるときの自己を階層構造で示します。 結果の例(上位と下位は包含関係にある) with 母 | | with 先生 with 恋人 | | with 親友 with 先輩 このようにして個人内の構造を描き出すことが、この分析(分類?)の目指す ところなのですが、マトリックスの評定から、結果を導き出すまでの手法が論 文を読んでもわからず、困っています。HICLASという名前を聞いたことがない という方も多いようですし、DeBoeckが分析ソフトを作成しているようです が、まだ手に入れられずにおります。 HICLASでなくても構いませんので、このようなデータを階層構造として描き出 す分析手法をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。 どうぞよろしくお願いいたします。 佐久間路子 お茶の水女子大学人間文化研究科 QZB00731 (at) nifty.ne.jp
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