[fpr 2212] The lady tasting tea

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

The Lady Tasting Tea : How Statistics Revolutionized 
Science in the Twentieth Century
David Salsburg (著)
Owl Books (NY) ; ISBN: 0805071342  (2001)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0805071342/ref
=sr_aps_eb_/249-8773581-7139537

なかなかいい本です。20世紀を中心とする統計学史になって
ます。数式,計算,グラフを一切使ってません。20世紀の科
学が統計学モデルに基づいて作られているという観点から考察
されています。表題はフィッシャーの本からのミルクティんp
場合,ミルクを先に入れたほうがおいしいのか,紅茶の葉を先
にいれたほうがおいしいのかという婦人の疑問を確かめる話で
す。といってもフィッシャーの元本は読んでいない。

数式等一切使わないため,肩すかし的な記述もある(例えば自
由度)が,統計学の基本的概念がどのようにして取り上げられ
るようになったかがわかりやすい。

エピソードなども豊富にあり,授業などでぼそっといいたくな
るような話題もある。

Fisher はなぜK.Pearsonを嫌っていたのか?
フランスの国際学会でNeyman が発表したが,Fisher は例に
よっての質問をしなかったがなぜ。
Tukey が作った言葉。bit, software
Fisher の講義スタイルは。

などなど。
bootstrap 法までカバーされている。因果関係や分布などにつ
いて普段考えないことまで話題にされている。

また,前の章にいったことを前提にして話が面白く読めるよう
になっているので,順番に読むのがいい。

Fisher て指摘マンだったんですね。

統計を多少かじってからのほうが読みやすい。このメーリング
リストの方ならお薦め。

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堀 啓造(香川大学経済学部)
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