三好さん 再び柴山です。後半のご質問に関してのコメントです。 > 2変量正規分布を前提として、検定と区間推定を > 同時に扱っているものがほとんどのようです。 > > なぜ、日本語で書かれた教科書や参考書は、この > ように説明するのでしょうか? > 統計の授業を担当していますと、推測統計的な観点から 相関の話をするときには2変量正規分布の説明をまずすることが 多いです。その上で検定の話に持っていきますから、混乱を 避ける意味が大きいのではないでしょうか。また、検定と区間推定の 話を裏表でする場合も、2変量正規分布の仮定をそのままに しておいたほうが便利です。ただ、「2変量正規分布でなければなら ない」となっている成書もあるようですが、それはちょっとまずいの ではないでしょうか。 なお、2変量正規分布の話し中で、このあたりのことをきちんと 押さえているものとしては 芝「統計的方法II推測」新曜社 p.100 (増補版もあり、芝・渡部) がありますから、日本語のテキストでないわけではありません。 しかし、とても残念なことに品切になっています。 また、相関係数そのものについての説明ではありませんが、 回帰モデルにおいてXの分布に依存しない旨の議論を 初学者向けにわかり易く説明したものに、 南風原「心理統計学の基礎」有斐閣 p.117-8 があります。ちなみにこちらは来年度からの講義用テキストに 予定しています。この部分だけでなく、全体的にも、とても 行き届いた良いテキストだと思います。 ご参考までに。 -- ====================================================================== 新潟大学教育人間科学部 柴山 直 950-2181 新潟市五十嵐2の町8050 E-mail:sibayama (at) ed.niigata-u.ac.jp/Tel:025-262-7249/Fax:025-262-7304 ======================================================================
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