[fpr 2256] 相関係数の検定と区間推定、そして回帰係数の検定と区間推定

SHIBAYAMA Tadashi

三好さん

再び柴山です。後半のご質問に関してのコメントです。

> 2変量正規分布を前提として、検定と区間推定を
> 同時に扱っているものがほとんどのようです。
>
> なぜ、日本語で書かれた教科書や参考書は、この
> ように説明するのでしょうか?
>

統計の授業を担当していますと、推測統計的な観点から
相関の話をするときには2変量正規分布の説明をまずすることが
多いです。その上で検定の話に持っていきますから、混乱を
避ける意味が大きいのではないでしょうか。また、検定と区間推定の
話を裏表でする場合も、2変量正規分布の仮定をそのままに
しておいたほうが便利です。ただ、「2変量正規分布でなければなら
ない」となっている成書もあるようですが、それはちょっとまずいの
ではないでしょうか。

なお、2変量正規分布の話し中で、このあたりのことをきちんと
押さえているものとしては

芝「統計的方法II推測」新曜社 p.100 (増補版もあり、芝・渡部)

がありますから、日本語のテキストでないわけではありません。
しかし、とても残念なことに品切になっています。

また、相関係数そのものについての説明ではありませんが、
回帰モデルにおいてXの分布に依存しない旨の議論を
初学者向けにわかり易く説明したものに、

南風原「心理統計学の基礎」有斐閣 p.117-8

があります。ちなみにこちらは来年度からの講義用テキストに
予定しています。この部分だけでなく、全体的にも、とても
行き届いた良いテキストだと思います。

ご参考までに。

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