豊田@早稲田です 柴山さん. ご意見をお聞かせくださり,ありがとうございます.「奇異に」感じてくださっ て,私も少し安心しました.あの後,当該論文は「単純構造を示す各因子ごとに 少数の項目で別々のIRT尺度を作成」という分析スタイルをどこから仕入れた のか(あるいは自分で編み出したのか)ということを調べてみました.すると引 用文献の中に渡辺・野口「組織心理測定論」があり,読み直して見ると同様の研 究スタイルをとっている応用例が見つかりました. たとえば高橋弘司氏による「第3章 興味の測定:職務興味」では53変数から 6因子抽出して,各10,11,9,9,20,5項目による6尺度を提案して います.同じく高橋弘司氏による「第5章組織コミットメント」では各6,6, 6項目の3尺度を提案しています.「組織心理測定論」は影響力のある本なので 当該論文はそれを極端に推し進めたものと判断されます. 20因子抽出して,その中には3項目で1尺度というものが5つもあり,この方 向を認めると,従来の古典的尺度構成の少数項目による尺度をそのまま移植した ような安易なIRTの尺度開発の研究が多発し,トフルやSATや語彙検査のよ うにじっくり尺度を育てるタイプの研究が地味なだけに広まらない可能性もあり ます.やっぱり修正要求かな. -- メールアドレスが変更になりました. -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) waseda.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan http://www.littera.waseda.ac.jp/faculty/tyosem/index.html --------------------------------------------------------------------------
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