[fpr 2285] 日本の子どもの勉強時間

Yasuharu Okamoto

  岡本@日本女子大学です。

 書きついでなのでということもありますが、学生が単純に真似ても
困りますのでちょっと書きます。

>0が0はOKでしょう
>一時間未満は,0〜1時間ということでしょうが,他に情報がない限り,
>サンプルの数値はその範囲に一様
>分布していると考えるのが妥当でしょうから,この区間の平均的な数値は
>0.5ということにしましょう。OK
>でしょうか。
>あとは,同じように,考えて1〜3の平均として2と言うこともOKでしょうね。
>問題は3時間以上ですが,この区間はオープンなので,平均的な数値を
>考えられないですね。唯一問題はこ
>のところ。ま,3時間以上5時間くらいまでだろうなというようないい
>加減な推量をすれば,同じように平均
>的な4時間という数値を得るのは自然ではあります。

 一見自然そうではありますが、区間ごとに一様分布している
ことからのずれが大きい場合、それなりのバイアスが予想されます。
5時間で切ることによる平均値のバイアスの問題もあります。基本的には
平均値が代表値として適切かということも問題です。最近のデータ分析の
方法の特徴は、以前に比べてより自然な統計モデルを設定してそれに基づく
分析がコンピュータ(パソコンが主体でしょうが)の使用により可能に
なってきていることだと思います。データがカテゴリカルであったり、
欠損値を含んでいても、適当なアルゴリズムで直接観察できないモデルの
構造を推定できる場合が多くなっているように思います。安易に上記の
ような考え方を自然だとして持ち出すのは、その妥当性が保障されてからに
して欲しい、少なくとも我が国の教育云々という議論のベースにするような
ときは慎重なデータの収集と分析が保障されないと困ると思います。

日本女子大学心理学科
岡本安晴


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