堀@香川大学経済学部です。 服部環さん@筑波大学が因子分析のなかなかいいソフトを作ってい ます。ml,uls とプロマックス回転と因子判定指標および適合度指 標を出力します。そして,最近の流れとなっているのが,探索的因 子分析の場合,因子数を複数指定して,一挙に求めてしまおうとい うものです。狩野さんの猪原・狩野非反復因子分析,mplus なども そうです。服部さんのFactor analysis for continuous ariables: faccon.exe もそうなってます。これって,computer intensive 法の流れでもあるんでしょうね。 服部さんのはこのことによって適合度指標を比較するようになって ます。 ただ,ms-dosで動くとか,出力がテキストファイルで見づらいとか ちょっと一般ユーザには辛いところがあります。 そこで,excel 上から faccon.exe を呼び出し,excel にあるデー タを処理し,結果をexcel に読み込むようにしました。 因子抽出法:最尤法と最小2乗法 回転法:varimax 回転(option を殺す)+プロマックス回転 因子判定法:並行分析等 適合度指標:たくさん これに (a)因子判定資料の判断を色づけする。 (b)因子パタン行列等の負荷量.400以上を色づけ (c)相関行列を3段階色づけ (d)因子パタン等負荷量に対応して並べ替え (e)相関行列をプロマックス解に対応して並べ替え (f)スクリープロットを描く を付け加えました。 因子パタン行列をじっくり見ることも必要です。このとき並べ換え は必須です。よりわかりやすく,色づけし,因子ごとに区切り線を 入れました。う〜ん。なんとわかりやすい。因子の命名が簡単にな ります。 水野欽司先生が相関行列をみるとだいたい因子がわかると授業で言 われてました。因子分析の因子数判定になやんだときには相関行列 に戻るのも一つの手です。このとき因子順に並んでいるととてもわ かりやすい。さらに因子の切れ目に線を引いてしまう。こんな素朴 な理解でいいのだろうか。ま,因子分析が何をしているか分かるだ ろう。そして,悩みの種の項目を切ることもできる。因子数判断の 最終兵器だ。 ここで分かるのは,相関が高すぎる項目があることは問題があると いうことだ。sefa では相関の高いセルを緑マークにしているが, 赤マークをしておいた。また,相対的なものなので,赤マークがな い相関行列の場合,貴マークも要注意だ。要するにバランスを崩す のは場合によっては(条件付きであるのに注意)よくないのだ。 もう一つsefaの問題は共通性の赤マークがかなり高いところに設定 されていることだ。0.4の負荷量だとすると,共通性は0.16だ。と いうことは高くても0.2以下のマークであろう。もちろん,自分で 数値を設定できるので,変えたほうがいい。 ま,適合度指標という神秘的なものの動きを知るにも「忍者ハット リ君」をよろしく。服部さんが隠れて走っているので「忍者」で す。ml と uls の違いを見るのにもいいかも。 excel vba program for faccon.exe コバンザメアプリ (愛称:忍者ハットリ君) http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/delphistat/hattori.html コメントください。ただし,今日からお籠もりし,1月中旬のころ 復帰予定です。そのあと「因子分析練習帳」を公開しようと準備し ています。 ではよいお年を。 ---- 堀 啓造(香川大学経済学部) home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
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