岡田@金沢大学です。SPSSによる対数線形モデルの分析の出力結果について どうしても分からないことがあり,こちらに質問させて頂きました。 簡単に申しますと,本に出ている例題と,それをSPSSで実行した結果が全く違っているのです。 例として 松田紀之1988質的情報の多変量解析 朝倉書店 p70 表3.2の数値例 例にとってみます。ここでは下記のようなA1〜A3,B1〜B3の3×3の数値例が出ています。 B1 B2 B3 A1 5 9 7 A2 7 3 9 A3 8 21 6 これに基づいた飽和モデルによる最尤推定値がP97に掲載されています。 SPSS(11.5)で計算させるために以下のようなデータを作成しました。 A B 1 1 1 1 以後5ケース分まで続く : : 2 1 : : 7ケース分 3 1 :: 8ケース分 :: 1 2 9ケース分 2 2 3ケース分 3 2 21ケース分 1 3 7ケース分 2 3 9ケース分 3 3 6ケース分 そして「分析-対数線形-一般的」を開き「因子」にA,Bを指定し セル度数の分布を「多項分布」 モデルを「飽和モデル」,オプションで「表示」の「推定値」にチェックを入れて実行しました。 対応するシンタックスは下記の通りです。 GENLOG a b /MODEL = MULT /PRINT = FREQ ESTIM CORR COV /CRITERIA = CIN(95) ITERATE(20) CONVERGE(.001) DELTA(.5) /DESIGN . その結果を見ますとたとえば 12 [A = 2.00]*[B = 2.00] については Estimateで -2.1948が出力されています。 しかし元の本のP97ANOVAコーディングの表3.12を見ますとuAB22は推定値-0.772であり, (ダミーコーディングの表3.11でもuAB22の推定値は-1.435) 全く違う値です。もちろん標準化係数も95%信頼区間も異なっています。 SPSSの指定で,分布を「ポアソン分布」にしても,やはり全く異なる値が出力されます。 (他の本に出ている数値例でもやはり全く一致しません) さらにTable informationのObserved Countの値も不思議で, ExpectedCountと全く同じものが(従って小数点以下の値がある) 出力されています。(たとえばA 1.00, B 1.00の欄は5.50となっています) (飽和モデルではなく,自分でモデルに含まれる項を指定すると Observed Countには実際の度数が出力されるようですが) またGoodness-of-fit Statisticsも Likelihood Ratio,Pearsonともカイ二乗,dfともゼロになってしまいます。 設定自体が違っているのか,SPSSの出力の見方が違うのでしょうか? あるいはSPSSでは別の計算方法を取っているのでしょうか? helpには「この手続きでは、Newton-Raphson 法を使用して、階層対数線型モデルと非階層対数線型モデルの 最尤パラメータの推定値を出します。」としかありません。 対数線形モデル自体,勉強始めたところで,どうも理解が浅いため...まあ他もそうですが.... 的外れなことなのかもしれませんが, どなたかおわかりになるようでしたら,よろしくお願い致します
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