[fpr 2308] SPSSでの対数線形モデルの出力の見方

岡田努

岡田@金沢大学です。SPSSによる対数線形モデルの分析の出力結果について
どうしても分からないことがあり,こちらに質問させて頂きました。
簡単に申しますと,本に出ている例題と,それをSPSSで実行した結果が全く違っているのです。
例として 松田紀之1988質的情報の多変量解析 朝倉書店 p70 表3.2の数値例
例にとってみます。ここでは下記のようなA1〜A3,B1〜B3の3×3の数値例が出ています。
  B1  B2  B3
A1  5  9  7
A2  7  3  9
A3 8  21  6
これに基づいた飽和モデルによる最尤推定値がP97に掲載されています。
SPSS(11.5)で計算させるために以下のようなデータを作成しました。
A B
1 1
1 1
以後5ケース分まで続く
: :
2 1
: :
7ケース分
3 1
::
8ケース分
::
1 2
9ケース分
2 2
3ケース分
3 2
21ケース分
1 3
7ケース分
2 3
9ケース分
3 3
6ケース分
そして「分析-対数線形-一般的」を開き「因子」にA,Bを指定し セル度数の分布を「多項分布」
モデルを「飽和モデル」,オプションで「表示」の「推定値」にチェックを入れて実行しました。
対応するシンタックスは下記の通りです。
GENLOG
  a b
  /MODEL = MULT
  /PRINT = FREQ ESTIM CORR COV
  /CRITERIA = CIN(95) ITERATE(20) CONVERGE(.001) DELTA(.5)
  /DESIGN .
その結果を見ますとたとえば
        12            [A = 2.00]*[B = 2.00]
については
Estimateで -2.1948が出力されています。
しかし元の本のP97ANOVAコーディングの表3.12を見ますとuAB22は推定値-0.772であり,
(ダミーコーディングの表3.11でもuAB22の推定値は-1.435)
全く違う値です。もちろん標準化係数も95%信頼区間も異なっています。
 SPSSの指定で,分布を「ポアソン分布」にしても,やはり全く異なる値が出力されます。
(他の本に出ている数値例でもやはり全く一致しません)
さらにTable informationのObserved Countの値も不思議で,
 ExpectedCountと全く同じものが(従って小数点以下の値がある)
出力されています。(たとえばA  1.00, B 1.00の欄は5.50となっています)
(飽和モデルではなく,自分でモデルに含まれる項を指定すると
 Observed Countには実際の度数が出力されるようですが)
またGoodness-of-fit Statisticsも Likelihood Ratio,Pearsonともカイ二乗,dfともゼロになってしまいます。

設定自体が違っているのか,SPSSの出力の見方が違うのでしょうか?
あるいはSPSSでは別の計算方法を取っているのでしょうか?
helpには「この手続きでは、Newton-Raphson 法を使用して、階層対数線型モデルと非階層対数線型モデルの
最尤パラメータの推定値を出します。」としかありません。

対数線形モデル自体,勉強始めたところで,どうも理解が浅いため...まあ他もそうですが....
的外れなことなのかもしれませんが,
どなたかおわかりになるようでしたら,よろしくお願い致します

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