[fpr 2322] 相関係数の分布

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

Re: [fpr 2309] 相関係数の分布

この1年ほど時間がゆっくり流れるようになって,返答が遅れてしまいました。

岩崎さんの質問について
> 最後に,堀さん (fpr 2253) の「1967年にEfronが最終的に証明した」はちょっと意
> 味不明でした.私は
> Efron, B. (1969) Student's t-test under symmetry conditions. Journal of the
> American Statistical Association, 64, 1278-1302
> は所持していますが,Efron の1967年の論文というのは持っていません.何という論
> 文なのですか.また,Efronは何を「最終的に」証明したのでしょう.

私の言及しているのは,The lady tasting tea でいっていることです。

[fpr 2253] 
> p30のt検定の話ですね。1967年にEfronが最終的に証明したと。

と,最後に「と」があるように引用であることは表したつもりでした。この本には残念
ながらEfron の論文・または発表媒体そのものを記述していません。論文としては岩崎
さんの指摘している論文がいいのかもしれません。私には判断不能。


 証明したというのは Salsburg がproved を使っているます。彼は,続けて「より正
確に言えば,その仮定が必要でない一般条件を見いだした。」と言っています。



> た,同じく堀さんの「対応のある場合のtテストの...つまり正規分布である必要
> はない。」というのは,対応のある t 検定では差 Z = Y - X の分布が正規分布であ
> れば元の X と Y の分布は正規分布でなくてもいいという意味なのでしょうか.互い
> に独立な観測値によるt 検定が妥当である(「本当に」t 分布に従う)ためには母集
> 団分布は正規分布である必要があります.もちろん t 検定が「近似的に」妥当なた
> めには正規性の仮定は不必要ですが(私はこの問題に現在興味を持っています).

なるほど。 Salsburgの本の中では,最初のデータ対 (initial set of measurements)
についての仮定についていっているので,「元の X と Y の分布は正規分布でなくても
いい」というところまでしかいっていません。

頑健性の問題は統計ユーザにとって重要ですね。

----
堀 啓造(香川大学経済学部)
home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/

スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。