----- Original Message ----- From: "Masafumi Kirino" <cax93600 (at) pop12.odn.ne.jp> To: <fpr (at) nuis.ac.jp> Sent: Sunday, February 16, 2003 8:51 PM Subject: [fpr 2339] 確証的因子分析の際の相関と、項目の単純加算時の相関につい て > 桐野@岡山県立大学大学院生です。 > > 解析をしている際に、疑問に思うことがありましたので、 > 是非ともよいアドバイスをいただけたらと思い、投稿させていただきました。 > > > まず、2値からなる9項目を観測変数、その上位に1次因子を仮定したモデルAがあ り > ます。 > 次に、2〜3値からなる5項目を観測変数、その上位に1次因子を仮定したモデルBが あ > ります。 > > このとき、2つモデルの潜在変数間に相関(共分散)を設定し、カテゴリカルな確 証 > 的因子分析を行いました。 > なお、推定方法は重み付け最小二乗法(WLS)、ソフトはM-plus Ver2.12を使用し ま > した。 > その結果、モデルAとモデルBの潜在変数間の標準化係数(相関)は、-0.818とな り > ました。 > > 次に、確証的因子分析ではなく、単純にモデルAで使用した9項目と、 > モデルBで使用した5項目について、それぞれ合計得点(単純加算)を算出しまし > た。 > そのとき、両者(モデルAの合計得点とモデルBの合計得点)の相関(Peason)を 計 > 算した結果、 > -0.478となりました。 > > また、これとは別に、 > 確証的因子分析の際に算出される(潜在変数から観測変数に向かう)それぞれの標 準 > 化係数(因子付加量)と > それぞれの項目の素点を掛け合わせた結果を使用して、モデルA、モデルBの合計 得 > 点を算出しました。 > そして、その両者の相関(Peason)を計算した結果、上記とほとんど同値になりま し > た。 > > このとき、確証的因子分析で得られた-0.818という相関と同様の結果を、 > 確証的因子分析を使用する以外の方法で(たとえば合計得点を利用する等) > 得ることはできるのでしょうか? > 何かよいアドバイスがありましたらよろしくお願いします。 > モデルAとモデルBの信頼性係数(古典的テスト理論の意味で)が等しいと仮定すれば 0.478/0.818=0.58が信頼性係数となります。つまり、潜在変数を古 典的テスト 理論における真の値(TRUE SCORE)と考えた場合の希薄化の修正の式から、 合計点A,B間の相関係数が、潜在変数間の相関より大きくなることから説明されるの では ないでしょうか。項目の素点の生成する空間と潜在変数の空間は異なりますので、 項目の素点に重み付けをしても、合計点間の相関とほぼ変わらないことになるのだと 思います。 しいていえば、A項目とB項目に含まれる項目で正準相関分析を行ってみてください。 その際に 得られる最大の正準相関係数(マイナスの値はとらないので相関の絶対値として考え た場合、0.5 を越さないと想像しますが試みてください。内容的には興味ある問題だと思います 柳井晴夫(大学入試センター研究開発部)
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