[fpr 2377] [fpr2371]調査と実験

真柳麻誉美

芳賀です.

私の場合の実験調査という概念は佐藤さんよりも
もう少し積極的な実験要因の統制を考えていて,
逆に,観察調査は,まさに観察ということを想定して書いていました.

例えば,ある製品のチラシの効果を見たいときに
質問紙調査法で研究を行う場合に,
その中で,
「ある製品のチラシをみたことがあるかどうか」
「その製品を買いたいと思うか」を
聞き,その関係から,チラシ効果の影響をうかがい知る,
また,そのチラシを見た人は買いたいと思ったかどうか,まで聞き,
それと総合して,チラシ効果を考えるようなものが観察調査かな,と.

それに対し,チラシ効果を直接計るべく,
対象者を二分割し,一方には事前にチラシを見せた後に買いたさを調査し,
他方には,なんの制御もせず,その差異からチラシ効果を定量化しようと
するものです.(当然,事前段階のチラシ暴露の影響は取り除くようにします)

確かに出口さんのおっしゃるように,
選挙予測や世論調査では,実験統制を行うという概念がないのかもしれませんが,
かといって,「調査」を観察研究の代名詞のように使われるのには
とても違和感を感じるということです.
前述のような例であれば,ランダムサンプリングとランダマイゼーションは
両立しますので,ランダムサンプリングとランダマイゼーションという対峙も
個人的には,注意して解説する必要があるかな?と思っています.


少し話はそれますけれども,個人的には,世論調査でも,
特にメディアの民意誘導(?)にあたる研究は
もう少しされてもいいように思います.

サンプリングは住民基本台帳から行って,ただ同じ設問で調査を行うのではなく,
設問による情報効果の測定も伴った世論調査を行うことで,
より客観的な?動きやすい世論を知る,といったものも行っていくべきと思っていま
す.

芳賀麻誉美












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