岡本@日本女子大学です。 調査と実験に関する話題の流れですのでちょっと外れますが、日ごろ気に なっていることに関連した文章が出てきましたので書きました。 [fpr 2379] Re: 調査と実験より; >実証的方法とは、ある研究者が行った研究を、別の研究者が追試・承認できる方 >法である。具体的には、観察、調査、実験の3つの方法を意味する。 シミュレーションが実証的方法であるのかどうかは別として、シミュレーションを 行っている論文には、その追試・確認を行うのに必要な情報が書かれていないことが よくあります。また、観察、調査、実験のデータを分析するのに用いられている モデルが、追試・確認が可能な形で明記されていないものもあります。 データ分析のアプリケーションソフトの場合も、分析に用いられているモデルが 数式できちんと表現されていない、あるいはアルゴリズムが明示されていないものが あります。 これらは科学的成果の報告あるいは科学的分析方法として問題なのではと 思っています。 皆さんはどのようにお考えでしょうか。 書いた本人にしかわからない分析結果、ソフトウェアメーカーの押し付けの 分析結果なんて公刊雑誌の論文としてはナンセンスだと思うのですが。 >・・・新しい説明モデルは、研究者 >社会で承認されて初めて科学的真実となる。 ([fpr 2379] Re: 調査と実験より) 真に新しい説明モデルが研究者社会で承認されることが保障されるためには 投稿者と審査者・編集委員会との活発な議論も必要だと思いますが、私が投稿した 経験ではこれは心許無いです。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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