[fpr 2386] ふたたび調査と実験

真柳麻誉美

芳賀です.

しつこいようですが,もう一度.

自己レスを含めて投稿します.
(せっかく実験の話になって面白いところ,申し訳ありません.)

私がfpr2371であげた疑問

>よく,調査と実験が対峙する概念のように
>取り上げられ,解説が行われることがありますが,
>これについて,皆様はどのようにお考えでしょうか?
>要因統制(注:従属変数への影響を見るための独立変数操作)
が行われるのが「実験」と定義することは良いとして,
行われないのが「調査」と定義して良いものでしょうか?
>どうしても,私にはこれが納得がいかないのです.
>調査,という語は,あまりに広義で一般的過ぎて,
>実験と対応させるのには無理がありすぎる,というのが
>私の意見なのですが.

は,

非実験を指して「調査研究」とする,という文化で育っていない私の疑問,意見でし
た.
佐藤さんと同様に,私も初めて聞いたときには
〜調査屋としては、調査と実験が対峙する概念であるという考え方があること
を知って、驚いている〜という表現と同じく,なにやら腑に落ちない気分で聞きまし
た.
これは,世論調査や心理学に身をおかない,理工系,品質,製品評価等に携わりつつ
人への調査を行ってきた調査屋=測定屋の一般的な反応ではないかと思います.)

私が「調査」という語を使うとき,それは
測定法の同義語として使用することがもっとも多く,これがほとんどです.
○○について調査する,というまさに広義の「研究し調べる」意味で使用することも
ありますが,一般語として認識しているので,これはあまり問題になりません.
さらに,あえていえば,質問紙調査をもって,さらに狭義の「調査」と呼ぶことも
あります.これは略さずに「質問紙調査」といえば,判別がつきますので,
あまり問題ではありません.

整理すると.
現在「調査」という語は,
1.もっとも広義の概念である「研究し調べる」という意
2.従属変数への影響を見るための独立変数操作を伴わない非実験研究
3.測定法と同義の意
4.質問紙調査の略

が,少なくともあり,
問題は,2の概念がない場合にあえて,測定法の同義語としてではない
2.の調査研究という概念の説明である,と思います.
(個人的には,ここでなんで,わざわざ誤解されやすい「調査」なんて
言葉を使うんだ?と反発したくなりますが.
かといって相関研究も観察研究も誤解を生む可能性があり今一つ,
となれば,八方塞の気分です.)

「調査」って何ですか?という疑問に答えるのは,
実はとっても,ややこしかった,という結論でした.

芳賀麻誉美









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