[fpr 2421] Spatial Statistics

島田貴仁

島田@科警研です。

> 子供にたくさんのおはじきを並べさせて、その配置の規則性/ランダム性を統計的に検討したいと思っています。データとしてそれぞれのおはじきの間の距離 
> を測っております。何か良い手法があればご教示願いたく存じます。

私は空間統計の専門家ではないので、これにお答えするのは僭越なのですが、
おはじきを犯罪発生地点に変えた研究をやっています。

ポイント間の距離の統計ですと、
Nearest Neighbor Index(NNI, 各点から最も近い点までの距離の平均)
があります。
これを2次以上に拡張したK-Order Nearest Neighbor Analysisなどもあります。

点パターンのクラスタリングの程度の指標には、Moran's I とか、
Geary's C という指標があります。
例えば、Moran's Iは -1 =< I =< 1 をとり、
正ならクラスター(clustered)、負なら散乱(dispersed)、
0ならランダムです。

米国のN.Levineという人が開発した、
点データの空間統計分析のためのフリーソフトがあります。
名前は、CrimeStatですが、汎用性は高いソフトです。
分析事例を含むドキュメントもダウンロードできますので、
何かの参考になるかもしれません。(島田が寄稿したものもあります)

http://www.icpsr.umich.edu/NACJD/crimestat.html

ついでに、先週末から警視庁が「犯罪発生マップ」の公開を始めましたが、
これは、犯罪発生地点の点データから、
カーネル密度推定法という方法を使って、100mグリッドごとの犯罪密度を推定し、
色分け地図で視覚化したものです。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/yokushi/yokushi.htm


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島田  貴仁  Takahito SHIMADA
科学警察研究所 犯罪行動科学部 犯罪予防研究室
Tel:0471-35-8001  Fax:0471-33-9184
E-mail:takajin (at) nrips.go.jp

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