[fpr 2471] はじめまして。

Masahiko AIDA

ミシガン大学大学院の相田です。

On Fri, 17 Oct 2003 20:18:04 +0900
"Takashi Kobayashi" <valencia_21_mf (at) yahoo.co.jp> wrote:
 
> 数量化三類において、ある一方の軸(例えば1軸のプラス方向)にサンプルデータが
> 集中している場合、その軸に重みを与えているカテゴリーに意見が集中していると考
> えていいものなのでしょうか?

ここでいう意見が集中しているというのがどういうことなのか良く分かりませ
んが、軸の説明率が(固有値が)大きいということ、プロットしてみて集中して
見えるということはまた別物でしょう。x軸に対しては分散がある程度あるのだ
けどy軸に対してはほとんど分散がなくて、集中して見えるというのであれば単
にy軸というのはほとんど寄与していないと考えるのが普通ではないでしょうか。
 
> あと、ある項目の回答数が他の項目と比較してあまりにも少ない場合、その項目を除
> 外すると思いますが、その除外することに基準があるのでしょうか?それとも分析者
> が決めてしまうものなのですか?

例えば単純無作為抽出のデータにおけるある変数yが欠損しているかいないかを
0,1の2値の変数にして、それに対してデータセット中のx_1~x_4などでロジステッ
ク回帰などしてみれば、x_1~x_4に対して、yがシステマチックに欠損しているか
いないかが分かります。それで、x_1〜x_4などに依存して欠損が生じているので
あれば、欠損項目を除くことはそこから得られる推定値などにバイアスを生じて
しまうので薦められないでしょう。その場合はMultiple ImputationやEMアルゴ
リズムを用いて補完をしたほうが、よりましな推論が出来ると考えるのがモダン
な考えであると思います。

上記の回帰モデルで欠損構造が明らかでない場合も、単にサンプルサイズが小さ
くて検定力の問題で顕在化しないだけの場合もあるので、単に欠損項目があるサ
ンプルを捨てるというような分析方針は、欠損のメカニズムに対して強い仮定を
置いているということを意識した推論をする必要があるでしょう。


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Masahiko Aida <maida (at) umich.edu>
PhD Program in Survey Methodology
Institute for Social Research, U of Michigan
http://sitemaker.umich.edu/masahiko.aida



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