[fpr 2480] 因子分析と回転

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

> 
> 協力します。

早速の反駁ありがとうございます。返事が遅くなりました。シンポの発表資料作成に手
間取り,時間がとれませんでした。というか一端手を付けると面白い話題なので流され
てしまって,シンポの準備が間に合わなくなるのではないかと恐れました。

ようやくシンポの準備が終わりました。

因子数決定法の検討−Holzinger and Swineford(1939)の知能データをもとにして
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/yomimono/nfac.ppt
にパワーポイントファイル(なんと8M)があります。以前のものを多少訂正と,少し追
加をしています。


> 【相関行列+SASプログラム】
SPSSに置き換えると次のようになります。n=300はケース数を指定しないと因子分析の途
中で

>ケース数 (N's) の行があるべきなのに、入力行列ファイルにありませんでした。
>このコマンドは実行されません。
というメッセージを出して終了してしまうので入れました。

********************************.
matrix data variable=x1 to x6/format=free/n=300/contents=corr.
begin data.
 1.00                
  .64   1.00            
  .64    .64   1.00        
  .0064  .0064  .0064 1.00    
  .0064  .0064  .0064  .64   1.00
  .0064  .0064  .0064  .64    .64   1.00 
end data.
factor matrix=in(cor=*)
    /extractio=ml/rotattio=promax(3).
********************************.
相関行列の固有値を見ると
2.299
2.261
.360
.360
.360
.360
---------------
2.299 2.261と2つの固有値が近すぎるために起こっているものでしょう。
同一の固有値になるときれいに45゜になります。

芝(1979)に,固有値が同じ場合云々の記述があったと思いますが,すぐに見つからな
い。そうでなくても,固有値問題を解くときに不定になるということ。数値解析上は不
定にならないようで,固有値が同じでも解いてきます。それがさきほどの45度になる
ということです。

この因子分析も初期解から 44.99973918度回転してます。

さて,さらに,固有値が近いと解が不安定であることも知られています。どの程度不安
定かというのは主成分分析についてはW.J.Krzanowskiの式があります。
W.J.Krzanowski(1984). Sensitivity of princpal component. J.R.Statist.Soc.B, 46, 
558-563.
これでは求められないか。もっとちゃんと考える必要がありそう。でも関係する概念で
しょう。

もとに戻って,このように不安定な解の場合,varimax 回転すると正しい単純解を求め
ることができます。

反例といえば反例ですが,計算上の問題と言えるでしょう。といっても断定できるレベ
ルで考えているわけではないので,さらにつっこんでください。



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堀 啓造(香川大学経済学部)
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