堀@香川大学経済学部です。
>
> 協力します。
早速の反駁ありがとうございます。返事が遅くなりました。シンポの発表資料作成に手
間取り,時間がとれませんでした。というか一端手を付けると面白い話題なので流され
てしまって,シンポの準備が間に合わなくなるのではないかと恐れました。
ようやくシンポの準備が終わりました。
因子数決定法の検討−Holzinger and Swineford(1939)の知能データをもとにして
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/yomimono/nfac.ppt
にパワーポイントファイル(なんと8M)があります。以前のものを多少訂正と,少し追
加をしています。
> 【相関行列+SASプログラム】
SPSSに置き換えると次のようになります。n=300はケース数を指定しないと因子分析の途
中で
>ケース数 (N's) の行があるべきなのに、入力行列ファイルにありませんでした。
>このコマンドは実行されません。
というメッセージを出して終了してしまうので入れました。
********************************.
matrix data variable=x1 to x6/format=free/n=300/contents=corr.
begin data.
1.00
.64 1.00
.64 .64 1.00
.0064 .0064 .0064 1.00
.0064 .0064 .0064 .64 1.00
.0064 .0064 .0064 .64 .64 1.00
end data.
factor matrix=in(cor=*)
/extractio=ml/rotattio=promax(3).
********************************.
相関行列の固有値を見ると
2.299
2.261
.360
.360
.360
.360
---------------
2.299 2.261と2つの固有値が近すぎるために起こっているものでしょう。
同一の固有値になるときれいに45゜になります。
芝(1979)に,固有値が同じ場合云々の記述があったと思いますが,すぐに見つからな
い。そうでなくても,固有値問題を解くときに不定になるということ。数値解析上は不
定にならないようで,固有値が同じでも解いてきます。それがさきほどの45度になる
ということです。
この因子分析も初期解から 44.99973918度回転してます。
さて,さらに,固有値が近いと解が不安定であることも知られています。どの程度不安
定かというのは主成分分析についてはW.J.Krzanowskiの式があります。
W.J.Krzanowski(1984). Sensitivity of princpal component. J.R.Statist.Soc.B, 46,
558-563.
これでは求められないか。もっとちゃんと考える必要がありそう。でも関係する概念で
しょう。
もとに戻って,このように不安定な解の場合,varimax 回転すると正しい単純解を求め
ることができます。
反例といえば反例ですが,計算上の問題と言えるでしょう。といっても断定できるレベ
ルで考えているわけではないので,さらにつっこんでください。
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堀 啓造(香川大学経済学部)
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