食品総合研究所の岡本と申します。 初めて投稿させていただきます。最近統計処理を必要とする仕事に就いたばかりの統計の初心者です。実験を 行ったものの、処理の仕方に悩んでおります。下記の問題について、アドバイスを頂ければ大変有難く存じま す。どうぞよろしくお願いいたします。 書面でインフォームドコンセントをとった10名の被験者に対し、2種類の条件(At, Bt)とその対照条件(A c, Bc)の合計4種類の条件下で血流量測定実験を行いました。各条件の実験を10回繰り返し行うことにより、 対応する数値データ(At1~10, Ac1~10, Bt1~10, Bc1~10)を10人分得ました。得られたデータには被験者間 での等分散性が認められませんでした。これらの数値データは、異なる条件の間では対応がついていません。 このようなデータを用いて、AをAtとAcの差(At-Ac)、Bを条件BtとBcの差(Bt-Bc)として、AとBを比較する方法に ついてご相談します。 問題は、AtとAcの差を得る段階です。各被験者内で、数値データAt1~10とAc1~10の間に対応がついていないた め、At1~10とAc1~10を平均値として扱わねば、AtとAcの差がとれません。そのように平均値化すると、数値デー タの個数が各被験者につき、10個から1個に減って、統計処理の際に検出力が落ちてしまいます。そこで、こ の問題を解消するために、下記のような方法をとろうと考えました。 各被験者内で、数値データAt1~10それぞれの値から、数値データAc1~10の平均値([Ac1~10])を差し引く。 (At1- [Ac1~10]), (At2- [Ac1~10]), ... (At10- [Ac1~10]) このようにして、各被験者につき A, Bそれぞれ10個の数値データを得た上で、被験者と条件を因子とした2元 配置の分散分析(繰り返しあり)をランダマイゼーション法(ノンパラメトリック)により、条件Aと条件Bの間 の差を検定する。 しかし、この方法では数値データAc1~10のばらつきを無視することになるので、統計の手法として妥当なのか確 信がもてません。上記のような場合に、とるべき方法がありましたら、是非、ご教示いただけますようお願いい た します。 ------------------- 岡本 雅子 食品総合研究所食品工学部製造工学研究室 〒305-8642 茨城県つくば市観音台2-1-12 Fax: 029-838-8122 Tel: 029-838-7357 E-mail: masakoo (at) nfri.affrc.go.jp -------------------
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