岸本@東京大学です。 変数が観測数より多い場合のPCA,FAについて、蛇足ながら... > ヤコビ法のなかでランク落ちにより > 逆行列が求められない 実対称行列の固有値問題を解くとき、ヤコビ法のような博物館級の 古典的方法を採用しようとするプロのソフトウェア開発者はいない でしょう(学生の皆様には、歴史を学ぶ価値はありますが)。 FAの解法について、米国SAS社の教育では、 ・ 相関行列が非特異なときはML ・ 相関行列が特異なときはULS を通常採るべだとしていました。もちろん、相関行列が特異に なるのは観測数が少ないときだけではありませんが。 事前共通性の推定値についても、反復解法の初期値としてなら SMCを採用する必要さえなく、1でも入れておけばいいわけです。 要は、相関行列が特異であることを理由にFAをあきらめる必要 はありません。PCAについても同様です。観測数が少ないとき FA, PCAがやりにくいのは、やはり推定値の安定性の問題だと 思います。 回帰分析の枠では、変数が観測数より少ない場合PLSが広く使われて います。回帰係数に興味がなく、予測にのみ興味がある(化学合成物の 性質など)場合ならこれでいいわけです。 岸本 淳司 東京大学 大学院 医学系研究科 クリニカルバイオインフォマティクス jkishi-tky (at) umin.ac.jp
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