村上さん >EPA構造の普遍性とその問題についても、数量的能力がないのに、尺度の情報量 >が関係しそうだと考え、低分散尺度の因子分析からEPAのaffective structureが、 >高分散の尺度の因子分析からdescriptive structure が得られるという論文を書 >きました。自分では基本的には正しい方向だと確信していましたが、誰も認めて >くれませんでした。他のテーマの研究をして遊んでいました。ちょっと反省です。 直接の関係があるようなないような話ですが, 我々が感性工学でつかっているSD法(とは離れていますが)では, 言葉のペアを反対語とは作りません.ほとんどの場合,XX-XXでない という ペアを作ります. その理由の1つは分布の問題です. 美しいー醜い というペアにして製品を評価した場合, 醜いと評価される工業製品はほとんど無いわけで, この場合,明らかに評価は5段階,7段階のスケールの上では 左右非対称の分布になります. もう一つの理由は,適切な反対語がないこともしばしばあることです. たとえば洗練されたの反対語は何でしょうか. ださいでしょうか.野蛮なでしょうか. これもうかつに決めてしまうと,1つめの問題と同様, 最終的に著しく分布がゆがむペアができることがあります. その結果,すでに相関行列の時点でどうにも使えないデータになりかねません. これらの問題から, 美しいー美しくない 洗練されたー洗練されていない というnot XXという言葉とペアにすることが多いです. これも100%ではなく,たとえば 男性らしいー女性らしい と作ることもあれば, 男性らしいー男性らしくない とすることもあります. 因子分析を用いた研究では,しばしば片方の言葉しか 表記してないものがありますが(特にマップを作ったときに) どうなのかなと思います. だからといって,Osgoodを責めているわけではない. Osgoodの研究では,工業製品を対象としていないので そこまでOsgoodが悪いとしては気の毒である. 製品評価に使うときは,特に配慮が必要であるということです. 村上さんの言いたいことと合致しているかどうかわかりませんが, Likert scaleやそれに類するスケールを用いた場合, 1つのスケール上での分布,複数スケール上での多変量分布に 注意しないと,それ以降の主成分分析or因子分析系or回帰分析系の結果が どうにも妙な結果が混ざって苦労することになります. (なお,少なくとも私の取ってきたデータについては 多変量正規分布からめちゃめちゃに(有意なほど)はずれては いないということを確認しました. そのときは,堀さんのHPがとても役に立ちました.ありがとうございました>堀さ ん 多変量正規分布の検定はいまだ決定打がないのです.そのときは勉強させられまし た.) あるいは,村上さんのいわれるように,分散の大小,Skewnessに なにかおもしろい情報がある可能性も大です. 他人の事は非難できません.我々も大昔に,どうにも主成分分析の 結果が変だと首をひねった結果,上にかいたようなやり方に 変更したわけです. 石原茂和 広島国際大学 人間環境学部 感性情報学科 724-0695 広島県賀茂郡黒瀬町学園台555-36 tel:0823-70-4890 fax:0823-70-4852 e-mail: i-shige (at) he.hirokoku-u.ac.jp
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