[fpr 2540] はじめまして。

Shigekazu Ishihara

辻さん

あまり専門ではないですが,
私も土木仕事をやったことがあるので,
土木のなかでこのような研究をやることの
苦労はよくわかります.

>現在、橋梁を橋梁認知プロトタイプを用いてどのような認知のされ方をしているか
というモデルを
>先輩の実験から考え、それを仮設とし、実験方法を考えています。考えている実験は、
>視覚実験の反応時間計測法であり、プロジェクターを使い、CADで作成した試料
図形を被験者(橋梁技術者)
>にみてもらい、その橋梁が例えばアーチ橋かアーチ橋でないかという強制選択法?
を用いてその一つ一つの
>試料図形を判断する反応時間を計測するという実験を考えております。
ここまでは,それなりに妥当な方法だと思います.
ただ,プロトタイプを探す方法は反応時間もありますが,もっとさまざまな方法が使
えます.

>そして、試料図形の橋梁要素と反応時間の違いにより個人分析(分散分析・・・)
をおこない
>プロトタイプがどういったものなのかを抽出しようと試みています。
これで,どんなアーチ橋が
(漠然とした,頭のなかにある)プロトタイプに近いかがわかる,
もっと正確ないいかたをすると,
いかにもアーチ橋みたいな橋は判定の時間が短いと予想されます.
でも,それでいいのかな??

なにを心配しているかというと,
1つは,いかにも典型的なアーチ橋がわかったとして,その結果をどう使うのか?
という点です.いかにもXXのようなモノというのは,えてして
審美的,土木で言うと景観評価的にはポイント低い.
土木計画学へどういうメリットがあるのか,ハサミは使いようということです.
もう1つは,プロトタイプの評定には,さまざまなスケールを利用可能だということ
です.
Likert scaleでもいいですし,Heskethのfuzzy rating scaleも使えます.
つまり,直接数値に起こせる,主観的な類似度評価を使用可能だということです.
これにより,うまくファジィモデルが起こせる可能性もある.

山下利之,ファジィ ー心理学への展開ー,垣内出版,1992
にコンパクトにまとめてあります.ぜひご一読されると良いと思います.

土木のなかでは専門家もいないし,理解されにくい研究とおもいますが
ぜひがんばってください.

石原茂和
広島国際大学 人間環境学部 感性情報学科
724-0695 広島県賀茂郡黒瀬町学園台555-36
tel:0823-70-4890 fax:0823-70-4852
e-mail: i-shige (at) he.hirokoku-u.ac.jp


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