堀@香川大学経済学部です。 因子分析の項目削除についてちょっと面白い結果があった.普遍性が あるかどうかは疑問ですが,試してみる価値はありそう. (1)自尊心尺度は本来1因子ですが,2因子になります.10項目をそ のまま分析すると対角SMCの平行分析では3因子になったりもします. http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/chosadata/fashion02.sav のデータを分析してみてください.反転項目を逆転してそろえて全項 目でクロンバックのαを求めます.spss で 統計→記述統計(項目を削除したときの尺度をチェック) をしておきます. 結果はhttp://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/chosadata/index.html#scale のところにあります.t2008は削除.t2003も削除して良いが置いてお く.再度因子数決定法で走らせると,MAPも対角SMCの平行分析も2と なり2因子となる.もともと,t2008は良くないことは他のことからも 分かっている.なお,階層因子分析すると一般因子のほうが1次因子 よりも寄与が高いことがわかり,1因子でよいこともわかる. (2)男性性・女性性尺度. 関大の清水さんのところに,男性性・女性性の尺度がある. http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~shimizu/spss1/sdata2.html これにラベルを付けるには http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/chosadata/sexrole.SPS を保存し,シンタックス窓にいれ走らせる. これもmap 2, 対角smc の平行分析4となる. 信頼性分析の結果「s07 私は 穏やかである (F)」 が問題項目なので削除する. 再度因子数決定法を走らせると,MAPも対角SMCの平行分析とも2とな る.そこで2因子解をもとめ階層因子分析をするとやはり一般因子の 負荷が高くなり,1因子解でもよくなる.削除しないと一般因子の寄 与は低い. ところでこの尺度,男女差がない.また,特に逆転について触れてい ないが,信頼性分析からすると男性性・女性性とも同じ方向である. そこは疑問だが, 項目を削除が因子構造を安定させた.削除する項目を見つけるのに, 一般因子が想定される場合,クロンバックのαを使うという手があり そうである. (1)は他の指標からしても意味のある削除であることは間違いない. (2)のほうはもう少し検討を要する. どう思います. ---- 堀 啓造(香川大学経済学部) home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
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