堀@香川大学経済学部です。 尺度を作成するときにSEMを使うにはどうするのか.簡単なようだ けどはっきりと示した論文がない. Structural Equation Modeling.10(4),622-647.のTeacher's Corner にある. Noar, S. M. (2003). The role of structural equation modeling in scale development. とりあえずSEMでの取り扱いがわかる.去年,SEMを使っているのだ が,ロジックがめちゃくちゃなのがあった.探索的因子分析で1因 子,SEMで直交4因子(4だったと思う)などという分析をしてい た.それに対してコメントするなら,ロジックを含め本1冊書くく らいの努力が必要と思いあきらめたものだった.項目作成や調査の ところではかなりがんばっていると思えたのにそれを生かし切れて いない. SEMでは当然高次因子を想定することになる.この論文では直交, 斜交,高次因子のモデルを比較し高次因子の適合度指標がいいこと を示している.まこれを読めば理解ができるだろう. ところで,この論文コンドーム使用に関するものですが,次のよう な4項目で1因子となってます. Direct request 1. Ask that we use condoms during sex. 2. Make a direct request to use condoms. 3. Be clear that I would like us to use condoms. 4. Say that since we’re going to have sex, I would like to use condoms. これって単にパラフレーズじゃないのかな.これで尺度にしてもい いのだろうか? 大いに疑問です.信頼性を高めるために複数項目 にするというのはわかるけど,これって反則技ではないでしょう か?別に下位因子を作る必要ないんじゃないかな. ---- 堀 啓造(香川大学経済学部) home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
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