[fpr 2629] parceling 概念の使用

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

因子分析やsemをするときparceling するかどうかの問題があります.
parceling は定訳があるのでしょうか.「括り」とかではダメですか.

Structural Equation Modeling,Volume: 11, Number: 2 2004
http://www.leaonline.com/toc/sem/11/2;jsessionid=iatS40VioeNd
に2本面白い応用例がでています.

Knut A. Hagtvet, Fadia M. Nasser
How Well Do Item Parcels Represent Conceptually Defined Latent 
Constructs? A Two-Facet Approach 
と
Stephane Vautier, Stacey Callahan, Delphine Moncany, Henri Sztulman  
A Bistable View of Single Constructs Measured Using Balanced 
Questionnaires: Application to Trait Anxiety
です.

Knut and Nasser は1次元性の検証に用いてます.
Todd D. Little et al.(2002)
http://www.leaonline.com/doi/abs/10.1207/S15328007SEM0902_1
やDeborah L. Bandalos(2002)
http://www.leaonline.com/doi/abs/10.1207/S15328007SEM0901_5 
の論文が元になっています.この2論文でparcel の基本的考え方がまとめ
られたといってよいでしょう.

ただ,1次元性についてSEMではそこまで神経質になるのでしょうが,尺度
として考えたときわりと大まかでもいいような気がする.

Vautierらの論文のほうが理論的に面白い.ポジティブ,ネガティブの2因
子になる問題へ新しいアプローチをしている.ポジティブ項目を基準とした
軸を引き,それに垂直な軸を考える.それをSEMで表すとCTCMと同じ.去
年,CTCMのやり方にならって自尊心尺度を分析していたのだが,方法的因子
としてしまうのには抵抗があった.Vautierらの考え方に従ったほうが意味
があるように思える.
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/yomimono/sesteem.html
自尊心尺度を分析した結果を載せている.

いずれにしてもポジティブ・ネガティブ因子の一つの考え方といえよう.

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堀 啓造(香川大学経済学部)
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