[fpr 2636] 独立変数,操作変数,個人差変数

soyogu

松下戦具(マツシタソヨグ)@大阪大学M2

独立変数は必ず操作変数でなければならないのか、
との問題提起に自分なりの考えをひとつ。

僕(実験系心理学)なら「実験計画を立てる時は、
そうあって然るべき」と思います。
しかし、算術的な観点から考えると「必ずしも操作しない」
とも思います。
そのあたりの齟齬は研究スタンスから由来すると思います。

すこし乱暴な言葉ですが、便宜上、統計屋と実験屋に
わけて考えてみます。
統計屋は帰納的なスタンス、実験屋は演繹的なスタンスの
匂いがします。

得られたデータから有効な情報をうまく抽出して
結論を導く(=帰納的)のが、行動計量などの統計屋の
妙(たえ)だと感じています。

一方、実験屋は(そうやって導かれた説などを)必要最低限の
変数だけを残して実験を組み、証明すること(=演繹的)に
力を注ぎます。

ですから、実験屋にとって、データは「出ちゃった」もの
では都合が悪く、「操作して出した」ものである必要が
あります。
(剰余変数についても、「いかにしてデータからふるい
落とすか」ではなく、「いかに、データに出さないか」
が大切になってきます。)

ここで「男女差で分散分析」という例をあげてみると、
実験屋は実験デザインを組む段階で、男10人女10人、
というふうに「操作」しているはずなのです。
もちろん、「出ちゃった」データを探索的に分析する
こともありますが、それは実験結果としては強くない
ので、次回の実験でそこを操作し、やはり演繹的に証明する
必要があります(本当は)。

「研究法」のテキストでしたら、おそらく演繹的な方法論に
力点をおいた解説になっているのだと思います(実際は
帰納と演繹の繰り返しですが)。
「研究者のつくり出す原因は独立変数」という大胆な
言い回しも、用語の厳密な定義としてはよろしくない
かもしれませんが、感覚的には理解できます。
「すくなくとも実験計画を立てる時はそうあるべきだ」という
ことだと思います。

((実験屋としてはそこよりも、実験者効果なども
含まれてそうな響きのほうが気になります))


上記、極端な表現や無礼な語を使用して失礼しました。
方便だと思ってお許しください。
また、僕が論点を理解しておらず上滑りな長文を書いた
可能性もありますので、そのときはおしかりください。


マツシタソヨグ


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