村上さんの書かれたこと、基本的に同感です。 >最近は卒論でも外的基準との相関を証明せよと学生をいじめています。 しかし、この相関どれくらいだといいのでしょか。相関係数=0.3でも サンプル数が多ければ有意になります。昨年の心理学会でのアメリカ人の 研究者の講演(生理的指標と好まれ度の関係だったと思いますが)で、 確か相関係数0.3ぐらいで有意であったと得意に説明していた人が いました。この場合、説明率は相関係数の2乗で0.1以下になりますから、 残り90%以上は説明できていないことになります。10%以下しか 説明できないときに、「この要因が関係している」というのは応用分野では 実害の方があるのではないでしょうか。例えば、臨床分野において、 相関係数が0.3ぐらいしか確認できていないことに基づいて、 「こうした方がよろしい」とか「そのようにしてはいけません」とか というのは危ないのではと思います。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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