fprの皆様: 南風原@東大教育心理です。 murakami (at) edu.toyama-u.ac.jp さんからの引用: > はが and 長谷川 様 > > 出版社からの正式の案内です。 > > http://bpstore.nikkeibp.co.jp/item/main/148222444660.html > > 売り物なので、見出しは大幅に変更されました。どんな表紙になるのか、相談も > 受けていません。しかし、かなり影響が出そうです。血液型に関しては最初の原 > 稿を1/3程度に削りました。一般教養書を書くのも疲れます。まあ、この本は私 > しか書けないでしょうし、存在価値はあるだろうと思います。 早速,読ませていただきました。「この本は私しか書けないでしょう」という点, そして,「存在価値はあるだろう」という点,その通りだと思いました。いろい ろな意味で,少なくとも私には書けないと思いました。 妥当性検証が重要であることや,標準化がきちんとなされ,かつ,必要に応じて それが更新されるべきであることは,通常の教科書のなかで,通常の言葉で書い ても,本当の意味ではなかなか伝わりにくいと思います。その点,日本で広く使 用されてきた代表的な心理テストの問題点を,妥当性検証や標準化の観点から具 体的に指摘し,きびしく批判したこの本は,通常の教科書以上に「教育的」であ ると思いました。 統計的な面でも,検定での有意性よりも,予測力の程度に目を向けるべきだ,と いった指摘など,その通りだと思いました。その反面,血液型人間学の章におけ る検定の多重性の説明など,読者が誤解してしまうのではないかと思われるよう な記述もあり,たくさんの人に読まれるだけに,そうした部分も,より正確に( かつ平易な言葉で)伝えられたら良かったのに,という感じもしました。ただ, 本全体を通しての主張の妥当性に影響を与えるものではありません。 数々のエピソードは,初めて知るものが多く,勉強になりました。おっしゃる通 り,「かなり影響が出そう」です。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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