[fpr 2788] 「心理テスト」はウソでした。

村上宣寛

Tomokazu HAEBARA 様


そういえば、完全独立でもなかったですね。頭が痛いです。



> 南風原です。
> 
> murakami (at) edu.toyama-u.ac.jp さんからの引用:
> 
> > 豊田さん、南風原さんの意見を入れて修正。第三刷以降に反映されます。
> > 
> > P.15
> > ここではカイ自乗検定を60個の仮説に繰り返した。一回の検定は5%以
> 下の危険率(いわば外れ率)だが、60回もやれば5%+5%+・・・+5% 
> = 300%以下の危険率になってしまう。これでは60項目のうち3項目ぐ
> らい、有意になってもちっとも不思議ではない。
> > 
> > 修正--->ここではカイ自乗検定を60個の帰無仮説に繰り返した。1回の検定
> は5%の危険率(いわば外れ率)なので、すべての帰無仮説が成立する確率は、
> 各々独立の事象だから0.95(=1−0.05)の60乗で、0.05となる。少なくと
> も1回は帰無仮説が否定される確率は1−0.05= 0.95である。つまり、60項目
> のうちいくつか有意になっても不思議ではない。
> 
> 本を修正なさるということなので,急ぎ,コメントさせていただきます。
> 
> まず,細かいところでは,「帰無仮説が成立する確率」という表現が引っか
> かりました。このままだと「帰無仮説が真である確率」のようにも読めてし
> まいます。「帰無仮説が採択される確率」とするか,あるいは,その後の
> 「帰無仮説が否定される確率」という表現と対応させて「帰無仮説が肯定さ
> れる確率」とするかしたほうがよいのではないでしょうか。
> 
> それから,60回の検定結果がどうなるかが「それぞれ独立の事象」である
> と書かれていますが,同じ被験者について項目を変えただけの検定の結果は
> 互いに独立にはならないと思います。そのため,独立性を前提とした計算は
> 成り立たないように思います。
> 
> この部分,「「心理テスト」はウソでした。」のモードであれば,以下のよ
> うな説明もよいのではないかと思いました。「ここではカイ自乗検定を60
> 回も繰り返した。1回の検定は5%の危険率(いわば外れ率)であり,単なる
> 偶然によっても20回に1回は,有意な結果が得られるという仕組みになっ
> ている。この研究では60項目のうち3項目が有意になったということだか
> ら,血液型人間学が成り立たないときに,単なる偶然によって有意な結果が
> 出る割合とちょうど一致している。つまり,この結果は,「血液型人間学は
> 正しくない」という仮説とぴったり合った結果と言える。」
> 
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> 南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
> 
> 
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村上宣寛 


(勤務先)
〒930-8555 富山市五福3190
富山大学教育学部学校心理学
TEL/FAX 076-445-6367
E-mail: murakami (at) edu.toyama-u.ac.jp
HomePage:http://psycho01.edu.toyama-u.ac.jp/




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