堀@香川大学経済学部です。 小塩さんどうも。 > > また判別分析の説明に関するご指摘,ありがとうございました。 本とは関係ないSPSSのほうの出力なんですが、 SPSS ときど記(231) 2006/ 2/ 2 判別分析 結合されたグループおよびグループ別作図 に書きましたが、判別得点の分布図は昔はきちんとわかる出力だったのが今は訳のわからん出力 になってしまってます。 すくなくともspss 14ではヒストグラムを使うと対応できることがわかりました。 http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/spss/tokidoki23.html#231 をみてください。11.5だとダメです。また、11.5だとインターラクティブでも不完全です。 > 今後もご指摘いただいた点を可能な限り盛り込んで改良していければ > と考えておりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 短期間で5刷で売れてますね。コンセプトはわたしもいいと思っていますが、ところどころ気に なります。 さて、今日は因子分析の章をやりました。研究室では気づかなかったのですが、授業でデモンス トレーションしているうちに気づいたのが、6章2のデータがヘイウッドケースでした。 データは http://www.tokyo-tosho.co.jp/download/DL00675.exe にあります。 実行すると DL00675 というフォルダーを作って解凍します。その中の\SPSSデータまたは \Excelデータのフォルダーにある6_2因子直交.savまたは6_2データ.xlsです。 前にも他のデータで問題にしたのですが、少数ケースのデータはどうしてもヘイウッドケースに なりがちです。ただ、ちょっと面白いことが起こるので皆さんにもお知らせして考え方をお聞き したいのです。 (1)「主因子法」では固有値1以上(2因子)、因子行列の出力のところで25反復回転で収束しま せんという旨の注記がでます。SPSSではそのことを文句をいってそれ以後も結果はすべて出力し ます。 (2)反復回転を100にすると、因子行列が表題だけになって、共通性が1以上になります。といっ て以後出力がされません。 (3)「重み付けのない最小2乗法」だと、「共通性」のところで >反復中に 1 つまたは複数の1 よりも大きい共通性推定値がありました。得られる解の解釈は慎 重に行ってください。 というメッセージがでて以後も出力される。しかし理科の共通性は0.999になっている。ところ が、「回転後の因子行列」の理科では第1因子の負荷量 1.000058314065、第2因子 0.04138192838714となっていて明らかに共通性が1以上になっている。 (4)最尤法では(3)の注意が同じく表示され、同じくすべて出力される。 ただ、「回転後の因子行列」の理科では第1因子の負荷量0.9987460376954、第2因子の負荷量 0.03881188724907と共通性は1未満になっている。(2乗和を計算してね) 問題は(3)、(4)の違い。(4)のようになるということはこの因子分析はセーフと考えるのですか、 それともSPSSのいっているように解釈を慎重にするのですか、それとも捨て去りますか。 少数データなのであまりまじめに考えるべきもんだいではないでしょうが、思考のトレーニング としてどうかんがえますか? まあ、単に誤差で起こった可能性が高いので解釈は可能とみるの が自然にもおもえますが、もっと多数のデータならもうちょっときちんとかんがえるべき事態で すね。 小塩さんこの例は最初の例としてははずすべきでしょうけど、ヘイウッドケースの見つけ方の例 としてはおいておいたほうがいいかもしれません。 なお、共通因子の定義ですが、2因子以上に負荷していれば共通因子といっていいです。これは モデルの問題です。探索的因子分析の解ではそういうモデルをたてないだけです。いろんんあモ デルについては、 http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~ebsa/asano01/ を参考にしてください。ある時期から面倒なことはやらなくなったのね。その後検証的因子分析 でまた面倒なことを好んでやるようになってきた。 ---- 堀 啓造(香川大学経済学部) home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。