ある人からの手紙でうっかりミスが判明しました。10年前の「最新コンピュー
タ診断性格テスト」ではちゃんと計算していたのですが、卒論の引き写しのミ
ス。「お天気屋」については、有意水準に達していません。指摘してくれたの
は立派な人らしいのですが、匿名は良くありませんね。匿名の意見は相手にし
ませんし、手紙類はすぐに捨てます。公務員や裁判所の原則です。
さて、うっかりミスの修正(第一刷のページ)
P.13
6行目、11行目、3項目--->2項目
最後の行、
「天気屋...は...AB型が多い。また
を削除。
P.14表
「天気屋である」行を削除。(この項目は有意差はないため)
P.15 10行目、3項目--->2項目
P.15 ---これは修正原案。統計的に表現すると、やや表現が難しくなってしま
うのが欠点。
「ここではカイ自乗検定を60個の仮説に繰り返した。1回の検定は5%以下の危
険率(いわば外れ率だが)60回もやれば5% + .. = 300%以下の危険率になってし
まう。これでは60項目のうち3項目くらい、有意になってもちっとも不思議で
はない。」
--->ここでは5%水準のカイ自乗検定を60回も繰り返した。1個の帰無仮説が過
って否定される確率は5%以下だが、60個の帰無仮説のいずれかが過って否定さ
れる確率はかなり大きくなる。その確率は不明だが、5%の60倍以下になること
は確かである。それで、危険率を5÷60%に調整して検定するのがボンフェロー
ニの多重比較法である。単純な検定を60回も繰り返せば、2項目くらい有意に
なっても、ちっとも不思議ではない。
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村上宣寛
〒930-8555 富山市五福3190
富山大学人間発達科学部
TEL/FAX 076-445-6367
(2006年度より)
E-mail: murakami (at) edu.u-toyama.ac.jp
HP:http://psycho01.edu.u-toyama.ac.jp/
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