[fpr 2952] SEM多母集団同時分析での平均構造の評価

豊田秀樹

豊田秀樹@早稲田大学です


平均構造に等置制約を設けずに分析したモデルをお勧めします.

理由1:差がないという検定仮説を棄却できないということは
    積極的に差がないということではありません.

理由2:こちらの理由が主たる理由なのですが,そもそも
    「差があるかないか」という質的判断ではなく,この場合は(仮に)
    2年生平均と3年生平均が似たような値であったとしても
    1・2・3年平均とSDを折れ線グラフで示して平均差がSDに鑑み
    あまり差がない(どの程度差があるかという)
    量的な解釈を示したほうが良いのです.



Tsutomu Okada さんは書きました:
>SEMの多母集団同時分析で平均構造分析を行った際の解釈について
>ちょっと疑問に思ったことがあります。
>たとえば以下のような場合どう解釈するのがよいのでしょう?
>例
>(説明のために,そうとう単純化したモデルにしています)
>1,2,3年生の3群での多母集団同時分析とします。
>なお外生変数の因子について1年生での平均を0に設定し,他の学年の平均を自由推定とします。
>モデル1:
>平均構造に等置制約を設けずに分析したところ,ある外生変数について
>AMOSの「一対のパラメータ比較」において2年生と3年生の間に有意な差が見られなかった。
>モデル2:
>この因子について2年生平均=3年生平均 という等置制約を設けて分析した。
>
>そうしたところ,モデル1の方がAIC,BCCの値が低く,相対的に適合度よかったため,モデル1を採択した。
>
>この場合,この因子についての2年生と3年生の間の差については,どう評価すべきなのでしょうか?
>モデル1のz検定では有意でないため,「差を認めることはできない」と評価してよいのでしょうか?しかし,2年=3年と等置したモ
>デル(モデル2)は適合がわるかったので,差がないと見なすことは出来ないとも言えてしまうようです。
>しかし「差がある」と見るにはモデル1で有意になってない,,,,???と堂々巡りになってしまいます。
>(おそらく論文に書く場合など,どちらの結果からでもクレームが出てしまいそうです)

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                    Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567  School of Letters, Arts and Sciences, Waseda University
 toyoda (at) waseda.jp            1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
 http://www.littera.waseda.ac.jp/faculty/tyosem/index.html
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