豊田秀樹@早稲田大学です 平均構造に等置制約を設けずに分析したモデルをお勧めします. 理由1:差がないという検定仮説を棄却できないということは 積極的に差がないということではありません. 理由2:こちらの理由が主たる理由なのですが,そもそも 「差があるかないか」という質的判断ではなく,この場合は(仮に) 2年生平均と3年生平均が似たような値であったとしても 1・2・3年平均とSDを折れ線グラフで示して平均差がSDに鑑み あまり差がない(どの程度差があるかという) 量的な解釈を示したほうが良いのです. Tsutomu Okada さんは書きました: >SEMの多母集団同時分析で平均構造分析を行った際の解釈について >ちょっと疑問に思ったことがあります。 >たとえば以下のような場合どう解釈するのがよいのでしょう? >例 >(説明のために,そうとう単純化したモデルにしています) >1,2,3年生の3群での多母集団同時分析とします。 >なお外生変数の因子について1年生での平均を0に設定し,他の学年の平均を自由推定とします。 >モデル1: >平均構造に等置制約を設けずに分析したところ,ある外生変数について >AMOSの「一対のパラメータ比較」において2年生と3年生の間に有意な差が見られなかった。 >モデル2: >この因子について2年生平均=3年生平均 という等置制約を設けて分析した。 > >そうしたところ,モデル1の方がAIC,BCCの値が低く,相対的に適合度よかったため,モデル1を採択した。 > >この場合,この因子についての2年生と3年生の間の差については,どう評価すべきなのでしょうか? >モデル1のz検定では有意でないため,「差を認めることはできない」と評価してよいのでしょうか?しかし,2年=3年と等置したモ >デル(モデル2)は適合がわるかったので,差がないと見なすことは出来ないとも言えてしまうようです。 >しかし「差がある」と見るにはモデル1で有意になってない,,,,???と堂々巡りになってしまいます。 >(おそらく論文に書く場合など,どちらの結果からでもクレームが出てしまいそうです) ------------------------------------------------------------------------------ TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Letters, Arts and Sciences, Waseda University toyoda (at) waseda.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan http://www.littera.waseda.ac.jp/faculty/tyosem/index.html ------------------------------------------------------------------------------
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