[fpr 2957] 内生変数の平均

toyoda (at) waseda.jp

豊田です

>たびたび申し訳ありません。semの疑問の続きです。
>平均構造を導入した推定を行っています。
>内生変数の平均値は 影響受ける外生変数の平均*非標準化係数+当該内生変数の切片
>で求まりますが,
>複数の外生変数から影響を受ける場合どうなるのだろうか?という疑問です。

しかも影響を与えている幾つかの変数の平均は,更にまた別の変数の平均から
影響を受けているという関係ですね.

>たとえば
>(A) --Wa--> (B) --Wb--> (X) <--Wc-- (C)
>    ただし(A)(B)(C)(X)は潜在変数,Wa,Wb,Wcは非標準化パス係数
>というモデルの場合,
>Xの平均は
>(Aの平均*Wa+Bの切片)*Wb + Cの平均*Wc  + Xの切片
>=Bの平均*Wb + Cの平均*Wc  + Xの切片
>と単純に考えてよいのでしょうか?

よいです.平均構造の計算はこれでOKです.
切片と平均の用語の区別もこれでOKです.
平均構造の計算は共分散構造の計算に比べると楽ですね.

雑談です.
平均構造のモデルとは,意外に思うかもしれませんが,
要するに,分散分析の母数モデルです.
2元配置とか3元配置とか母数モデルの構造模型(モデル式)を考える
場合には,まさに上述の平均構造の計算をします.
様々な平均構造モデルが分散分析(実験計画法)では提案されています.

だから分散分析が中心であった心理学の研究方法論に
SEMが近年頻繁に使われるようになったということは
分散分析による平均構造(1次の積率構造)から
SEMによる共分散構造(2次の積率構造)へ
関心が広がったという歴史的視点での解釈も可能です.
だからSEMで平均構造を考えることは
哺乳類のクジラがまた海に戻ったような意味があると思います.

あっ雑談のほうが長いですね.


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