豊田です >たびたび申し訳ありません。semの疑問の続きです。 >平均構造を導入した推定を行っています。 >内生変数の平均値は 影響受ける外生変数の平均*非標準化係数+当該内生変数の切片 >で求まりますが, >複数の外生変数から影響を受ける場合どうなるのだろうか?という疑問です。 しかも影響を与えている幾つかの変数の平均は,更にまた別の変数の平均から 影響を受けているという関係ですね. >たとえば >(A) --Wa--> (B) --Wb--> (X) <--Wc-- (C) > ただし(A)(B)(C)(X)は潜在変数,Wa,Wb,Wcは非標準化パス係数 >というモデルの場合, >Xの平均は >(Aの平均*Wa+Bの切片)*Wb + Cの平均*Wc + Xの切片 >=Bの平均*Wb + Cの平均*Wc + Xの切片 >と単純に考えてよいのでしょうか? よいです.平均構造の計算はこれでOKです. 切片と平均の用語の区別もこれでOKです. 平均構造の計算は共分散構造の計算に比べると楽ですね. 雑談です. 平均構造のモデルとは,意外に思うかもしれませんが, 要するに,分散分析の母数モデルです. 2元配置とか3元配置とか母数モデルの構造模型(モデル式)を考える 場合には,まさに上述の平均構造の計算をします. 様々な平均構造モデルが分散分析(実験計画法)では提案されています. だから分散分析が中心であった心理学の研究方法論に SEMが近年頻繁に使われるようになったということは 分散分析による平均構造(1次の積率構造)から SEMによる共分散構造(2次の積率構造)へ 関心が広がったという歴史的視点での解釈も可能です. だからSEMで平均構造を考えることは 哺乳類のクジラがまた海に戻ったような意味があると思います. あっ雑談のほうが長いですね.
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。