[fpr 2999] SPSSの偏イータ2乗

南風原朝和

fprの皆様

南風原@東大教育心理です。

Keizo Hori さんからの引用:

> APAなどで、効果量を記載するように求められていますが、偏イータ2乗をイータ
> 2乗として報告している論文が結構あるらしいです。その原因にSPSSがあるらし
> い。
> 
> Pierce, C. A., Block, R. A., & Aguinis, H. (2004). Cautionary note on 
> reporting eta-squared values from multifactor ANOVA designs. Educational 
> and Psychological Measurement, 64, 916-924.
 http://www.montana.edu/wwwpy/Block/papers/Pierce,Block,&Aguinas-2004.pdf
> にそのことが指摘されてます。


確かに,報告された値から要因全体での説明率を求めると100%を越える
ものがゴロゴロありますね。甚だしい誤りが多いことに驚きました。

これは推測ですが,こうした誤りに著者も査読者も気づかないというのは,
「効果量を掲載せよと言われるから計算しているけど,実際には,その値
にほとんど注意を払っておらず,結局はアスタリスクだけを見ている」と
いうことが原因かも知れません。特に実験研究では,効果量というものの
必要性が,実感として感じられていないのではないかと思います。

あと,言葉の問題ですが,「偏イータ」は日本語として美しくないですね。
「偏相関比」で良いのではないでしょうか。

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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