[fpr 3002] 「識別不定」を使いましょう

南風原朝和

fprの皆様

南風原@東大教育心理です。

toyoda (at) waseda.jp さんからの引用:

>  しかしこの言葉に関しては「識別不定」に統一すべきです.「識別不能」と
> いう言葉は駆除すべきであると,私は思います.きゅうりがパパの原則にした
> がっている私が何故ここまで強く主張しているのかには理由があります.連立
> 方程式は,義務教育段階で登場し,A.不能(解がない) B.解ける C.
> 不定(解が無数にある)の3種に分類されます.この用語は尊守する必要があり
> ます.ここに適合度関数という考えを導入すると,Aの不能な連立方程式は解
> けるようになります.Bの方程式は飽和モデルと呼ばれます.そしてCの不定
> な連立方程式は適合度関数という考えを導入しても,解けずに不定なままであ
> り,この状態を「モデルが識別されない」といいます.したがって「モデルが
> 識別されない」状態を表す言葉は,「識別不定」が望ましいのです.そればか
> りでなく「識別不能」であってはならない(誤解を招く)のです.
> 
> 連立方程式    統計モデル   
> A.不能  −> 識別される
> B.解ける −> 識別される(飽和モデル)
> C.不定  −> 識別不定
> 
> 結論:識別できない状態を表す四文字熟語には「識別不定」を使いましょう.


その提案に反対というほどではないのですが,言葉としては,「識別できる」
「識別できない」という状態を「識別可能」「識別不能」と呼ぶのは自然の
ような気がします。「不定」という言葉は,「方程式が不定」というのであ
れば,慣れもあってピンときますが,「識別不定」というと「識別できるか
どうか定まらない」のようなニュアンスも感じられ,イマイチの感じがしま
す。

実際上,最適化のための方程式は不能になることはほとんどなく,適当な制
約をおかないと不定になってしまうという場合が多いと思います。つまり,
識別の問題は,不定になりうる方程式が,適当な制約によって不定にならず
にすむかどうか,識別ができているかどうかという問題として生じるわけで
,その際,「識別可能」「識別不能」という言葉を使っても特に混乱は生じ
ないように思いますが,いかがでしょうか。

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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