fprの皆様 南風原@東大教育心理です。 話題が交互に変わって,最適解に至る軌跡と,職務質問からの逃避の軌跡が 入り組んでしまっていますが・・・。 豊田さんの > 連立方程式 統計モデル > A.不能 −> 識別される > B.解ける −> 識別される(飽和モデル) > C.不定 −> 識別不定 の図式に関してですが,SEMでの連立方程式は,以下の2つのレベルに分けて 考えることができると思います。 レベル1:共分散構造に関する方程式 例:Cov(yj,yk) = Σg βjgβkg レベル2:最適化に関する方程式 例:dL/dβjg = 0 このとき,同一のモデルに関する方程式が,レベル1では(母数の数が方程 式の数より少ないために)不能であるが,レベル2では(必要な制約が欠け ているために)不定になるという場合があると思います。一方,レベル1で 不定であれば,レベル2でも不定のままです。 豊田さんの図式は,レベル1の方程式に関するもののように思われますが, モデルが識別できるかどうかは,直接的にはレベル1ではなく,レベル2の 方程式における不定性と対応するのではないでしょうか。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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