[fpr 3012] 「識別不定」を使いましょう

南風原朝和

岡本さん,豊田さん,fprの皆様

南風原@東大教育心理です。

Yasuharu Okamoto さんからの引用:

> >  レベル1:共分散構造に関する方程式
> >       例:Cov(yj,yk) = Σg βjgβkg
> >  レベル2:最適化に関する方程式
> >       例:dL/dβjg = 0
> 
>  レベル1は、モデル構成のレベル、レベル2は解法のレベルになっております。
> 適合度を問題にしないならば、いかなるモデルも可能であり、不能ということは
> おかしいと思います。

説明が足りませんでしたが,レベル1は,左辺にサンプルからの推定値
を代入した方程式を意味していました。その場合,母数の数が方程式の
数より少ない場合,不能になります。


toyoda (at) waseda.jp さんからの引用:

> 識別不定の反対語は識別不能です

そうすると,

  識別できない → 「識別不定」
  識別できる  → 「識別不能」

となって,さすがに混乱してしまうのでは?


> さらにSEMへとモ
> デルが一般化され,モデルの識別はレベル2だけで判定されるように
> 理論体系が変更されました.識別不能状態は事実上存在しなくなり,
> 片一方の状態である識別不定の状態だけが残ったのです.

ということであれば,なおさら,識別については,単純に「できる・
できない」=「可能・不能」という表現でよく,方程式用語を持ち込む
ことはしないほうが良いように思います。方程式との関係は,別途
きちんと説明するということで。

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南風原 朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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