堀さん,fprの皆様 南風原@東大教育心理です。 Keizo Hori さんからの引用: > たしかに美しくないのですが、「偏相関比」にも困難を抱えています。 > 一般に「相関比」は「イータ2乗」です。 > ところが、「相関比」を「イータ」と解釈している例もよくあります。 > というわけで相関比という言葉を使うことによる混乱が生じます。どっからこ ういう問題が生じたのでしょう。 http://psychclassics.yorku.ca/Fisher/Methods/chap8.htm に, STATISTICAL METHODS FOR RESEARCH WORKERS By Ronald A. Fisher (1925) があり, 45. The "Correlation Ratio" η のところに, the square root of this ratio, η, is called the correlation ratio とあります。 分散の分割に基づいて分散説明率を求めたものが η-square ですから,それに名 前を付けてしまおうという発想があって,混乱が生じてきたのではないかと推測 します。しかし,歴史的にも,また,R と R-square との関係と統一的に扱うう えでも,ηのほうを相関比と呼ぶのが適切だと思います。 似たような問題として,クラメルの連関係数がありますね。池田央『統計的方法 I』(新曜社,125頁)にあるように,クラメル自身は2乗したほう(カイ2乗と 同じオーダーのもの)を指標としたようですが,これも,ファイ係数などとの一 貫性からは,2乗しないほうを連関係数と呼ぶのが良いと思います。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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