岡本@日本女子大学です。 村上さん[fpr 3048]より: > 「もっとプログラミングを楽しんで欲しい」−米Borlandインターシモーネ氏 > の記事が出ていました。楽しんでプログラミングする人が増えれば心理学の可 > 能性も広がるのですが。 少し補足説明をしたいと思います。 PascalやCのレベルのプログラミング言語によるプログラムを習得しなくても 既成のアプリケーションの利用、あるいはマクロ言語の利用で十分だと 考える学生さんは多いと思います。しかし、この考え方はある意味で不適切であると 思います。 まず、既成のアプリケーションの利用ですが、これは確かに便利で、私も愛用しています。 しかし、既成のアプリケーションでは対応できないときも結構出てきます。このような時に、 手持ちのアプリケーションでは対応できないということで諦めるか、自分なりのプログラムの 作成に取り掛かるかの差は大きいと思います。 近年、いろいろとマクロ言語(のようなもの)が開発されています。例えば、 C. E. Lunneborg, 2000, "Data Analysis by Resampling" では、Resampling Statsというパッケージが用いられています。このResampling Statsという マクロ言語によるプログラム例を見てみますと、基本的な処理手続き/関数を用意しておけば PascalやCでプログラミングすることと大差ないという気がします。これはResampling Statsだけの 印象ではなく、他のマクロ言語でも同様です。 私は、SPSSを使用するときに、データセットの大掛かりな変換を行うときはPascal (Delphi)で 行っています。 マクロ言語は便利ですが、用途ごとに異なるものが用意されているので研究領域が異なると 他のマクロ言語を学習しなおすことになります。また、今日ではWindowsPCを利用することが 多いと思いますが、マクロ言語ではWindowsの機能を十分に利用できるかどうか、マクロ言語に よるのでしょうが、不安があります。 これに対して、Windows用の汎用開発言語(DelphiやCV++など)は、特定の研究領域に限定されずに 利用できます。また、原則としてWindowsの機能がサポートされていますし、現在サポートされていない 機能もいずれサポートされることが普通です。 汎用プログラミング言語によるプログラミングの効用はともかくとして、インターシモーネ氏の メッセージ「プログラミングを楽しむ」ということで、ゲーム機で遊ぶ感覚でプログラミングを 楽しむことは実益もあることだと思います。 遊びの感覚でプログラミングをするなら、初心者の方には私が最近経験した以下の 4つの言語 1.Delphi (Object Pascal) 2.Java 3.Visual BASIC 4.Visual C++ の中では、断然Delphiをお勧めします。理由は、4つ使い比べるとわかります。 蛇足ですが、BASICが使いやすかったのは少し前までで、オブジェクト対応になったBASICは 煩わしい、VC++の方がましであると思います。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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