[fpr 3079] 臨床心理と統計学は本質的には同じ

杉山崇

なるほど、岡本先生、豊田先生、ありがとうございます。
岡本先生の見解によると、診断と治療のノウハウとしての心理
学研究法の側面を強調して提案したほうが良いのかもしれない
、と考え始めております。
豊田先生の見解は非常に味わい深く、有力な固有技術を再検討
してみたい気持ちです。


--- toyoda (at) waseda.jp wrote:

> 豊田秀樹@早稲田心理学教室です
> 
> 実在の人物ではないけれど「Dr.コトー診療所2006」のコト
ー先生
> 
> は心理臨床家としても第1級であり,現象学的に人を了解し
,適切
> 
> な言葉かけをするので,そのアドバイスはクライエントの心
に染みる.
> (話はそれるが,昨日の時任三郎と泉谷しげるの演技はすご
かった.
> 家族と見ていなければ大泣きしていたと思う)しかし,それ
は確か
> な医療技術を身につけているからこそであり,技術もないの
に天才
> 的な心理的「了解」を示しても,それこそ魚労長(泉谷)に
「ばか
> やろう.お前なんか,この島には,いらねえよ」と言われる
のがオ
> チである.
> 
> 私が尊敬する株式投資家に武田和平という人がいる.彼は不
良少年
> に対する指導でも知られている.しかし彼は投資家・実業家
として
> 超1流であり,タマゴボーロという日本人なら誰でも知って
いるお
> 
> 菓子の創始者でもある.それがない只のおじいちゃんなら,
いくら
> 人の気持ちを「了解」できる臨床能力があっても,不良たち
と分か
> り合うのは難しいと思う.ボコられて終わりではないだろう
か.
> 
> 「了解」によるカウンセリング的アプローチは,それだけで
は無力
> であり,何か社会のニーズを有する確かな技術と結びついて
初めて
> 効果を発揮する,fpr流にいうと,単独の主効果は期待で
きない
> けれども,交互作用の効果が大きいのだと思う.
> 
> その意味で,教員養成系の大学では,教授法・授業分析法・
指導案
> 作成法など現実社会の確かなニーズを有する教員資格結とび
ついて
> いたから,教員を目指しながら同時に大学・大学院で心理臨
床を学
> ぶことはシステムとして大変安定していたと思うし,心理臨
床は効
> 果を発揮できた.しかし15年ほどまえに,人口動態の関係で
教員が
> いらなくなり,ゼロ免と称するコースを嚆矢として心理臨床
を主役
> とする募集単位が増えて,心理臨床の主効果が期待されるよ
うな場
> 面が増えてきたことがいろいろな軋轢の本質だと思う.(本
当は団
> 塊の世代が現役を退き,教員の人材が必要な,今こそ,教員
養成の
> 本格学部の定員増が必要なのに,そうはならない.行政は常
に後手
> 後手である)病院や,学校のカウンセラーは,心理,を前面
に出さ
> なければいけないから辛い.同じこと言われるなら,コトー
先生や
> 武田社長に言われたい.心理だけじゃあ「ばかやろう.お前
なんか
> この**には,いらねえよ」と言われかねない.ナウシカは
「人は
> 森を離れて生きられない」と言ったが「心理臨床は固有技術
から離
> れては生きられない」だろう.でもそれは統計学だって同じ
だ.
> 「統計学は固有技術から離れたら生きられない」自分の繰り
出した
> パンチが自分に当たったところで,お後がよろしいようで
> 
> 



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