岡本@日女大です。 堀さん御紹介の論文 > Nominal, Ordinal, Interval, and Ratio Typologies Are Misleading > Paul F. Velleman, Leland Wilkinson > The American Statistician, Vol. 47, No. 1 (Feb., 1993), pp. 65-72 の基本的な考え方は 「科学と数学とは異なる」 という簡明なものです。 Stevensの考え方を取り上げた上記論文では、Stevens自身の他、Luceも 出てきますが、彼らはpsychophysicsの分野でも業績のある人たちです。 psychophysicsにおいてよく取り上げられるウェーバー比とか一般的な (実験心理学的にはこちらの方がデータに合うことが普通)べき法則は、 数学的には(measurement theoryの観点からは)meaningfulではありません。 このことは、拙著「計量心理学」培風館、pp. 221-227でも説明しております。 しかし、ウェーバー比あるいはべき法則は、StevensやLuceの論文とかテキストでも 扱われており、meaningfulなものであるという印象を受けます。 ウェーバー比や一般的なべき法則は数学的(measurement theory的)には meaningfulではないが、科学としてはmeaningfulであるという、科学と数学との 違いを示す例になっていると思います。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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