Keizo Hori <hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp> さん > 日本心理学会の期間に読みました。ずいぶん多方面にわたって記述してあ > りますね。 やる気のない私は滞在時間三時間少々でした。無料のコーヒーが劇不味でしたね。狭いで すし、喫茶店で読書がベストかも。 日文の美人編集者と話せたのはラッキーでしたが、「なぜ、WAIS-IIIは年代別の平均と標 準偏差を公開しないのか」、「なぜ、Demographicな分析をしないのか」など、刺々しい ことしかお話しできませんでした。まあ、日文でも5冊お買い上げいただいて、社内で勉 強中(?)とのことでした。少しは今後、知能テストの水準が上がるかもしれません。 日経BP(Business Publishing)はビジネス書の出版社ですので、かなり分野を絞り込み、 イントロで読者をそそのかし、章を短くしました。サラリーマンでも読めるように工夫し ないといけません。 Robert J. Sternberg (Ed.) 2000 Handbook of intelligence. Cambridge: Cambridge University Press. を見てもらえれば、取り扱わなかった分野の方が多いと分かります。 > > スタンバーグのところでちょっとひっかかりました。 > 日本への紹介は > 知脳革命 : サクセスフル・インテリジェンス : ストレスを超え実りある人 > 生 > へ / ロバート・J・スタンバーグ著 ; 小此木啓吾, 遠藤公美恵訳 東京 : 潮 > 出版社, 1998.4 > > があります。変なタイトルをつけているので一般には気づかれないでしょ > うが。で、チェックすると富山大学の図書館には入ってます。ということ > はこれを知りつつ、『ヒルガードの心理学』へ言及しているのか。 私はこの分野、素人ですから、もちろん、知りませんでした。しかも、充分、検索しませ んでした。しかし、随分、昔の本ですね。仮に読んでも、あまり役に立たなかったでしょ う。なお、図書館には電子情報があるだけで、実物はないでしょう。富山大学の誰かが研 究費で買ったということです。 私の敵はディアリの「知能」でしたので、孫引きせず、全部調べ直した上、SCOPUSという データベースで検索して、オンラインジャーナルを読みました。タダで読める雑誌に片寄 りましたが。ScienceとかIntelligenceの論文が即座にPDFで手に入りますので、良い世の 中になりました。 > しかし、この本を読んでいるほうが少ないように思える。一般に認知心 > 理学で紹介されているのは分析的知能だったように記憶している(文献を > 確かめる元気なし)。教科書づくりは分担執筆なので、英語の認知心理学 > の概論書程度は押さえているのでは? もし、そうなら、もっとマシな記述になるでしょう。充分調べてはいませんが、「エッセ ンシャル教育心理学」(ナカニシヤ、現在、概論で使用中)が例外的に知能を詳しく扱って います。これは例外だから言及しませんでした。ディアリの訳本の影響が大きく、アメリ カの認知心理学の本をどれだけ読んで書いたのかは分かりません。ディアリ以降の事が書 いてありません。 > > 日本の知能関係の一般書は否定型がおおいので、珍しく肯定的にとらえつ > つ批判するというおもしろい本に仕上がっています。読んでみるといろい > ろ考えさせられるでしょう。 IQの高い人の感想ですね。IQの低い人はall or nothing的反応をしがちですから。SD法で も極端反応傾向とかありました。私は肯定的でも否定的でも批判的でもないつもりです。 馬鹿げた研究を山ほど積み重ねないと、Scienceは進歩しません。止むをえない営みです。 私は引退させていただきますが、若い人はチャレンジしてほしいですね。 -------------------------------------- 村上宣寛 〒930-8555 富山市五福3190 富山大学人間発達科学部 TEL/FAX 076-445-6367 HP:http://psycho01.edu.u-toyama.ac.jp --------------------------------------
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。