[fpr 3215] R・公開審査・MCMC

toyoda (at) waseda.jp

豊田秀樹@早稲田大学です.

ご無沙汰してます.関東地方はたびたび地震にみまわれています.
揺れるたびに「大地震かも」と避難の心の準備をしています.

★Rの話
すこし小生の近況を報告いたします.
一番の変化は分析のための言語を変更したことです.
20代の頃からずーとSASのIML一本やりで来ましたが,4年ほど前から
Rというオープンソースの言語を使うようになりました.
1年ほど使ってから院生にも薦め,現時点では,心理統計学を研究するには
もっとも適した言語(選択肢)であろうという印象を持つにいたりました.
ここまでは専門のことなのであまりジレンマはないのですが
勢いあまって昨年から学部生の心理の必修の統計学の授業にも使うようになりました.
文系の学生にGUIでない言語を必修にするのには少なからず迷いもありましたが
1.SASやSPSSと違ってフルバージョンを学生は自宅に置いて学習でき
  卒業後も使い続けられること
2.UNIXの流れをくむ,本格的な計算機言語という意味で
  心理統計を離れても教養として優れていること
などを考えると,まだ2年目ですが,Rを心理の学部の
必修言語にしてよかったのではないかと考えています.
私は40代の年寄りなのでIMLからRに乗り換えるときには,
かなり大変でした.作業効率が上がらないし,今でも綺麗な
プログラムを見ると「ああこうは書けない」とため息がでます.
SASやSPSSに慣れた心理学者がRに転向するのは,想像以上に
大変なことなのかもしれません.心理学関係でRの教育をしている方が
いらしたら,MLでそのご苦労話でも聞かせていただければ幸いです.

★豊田研究室関連の博士論文の公開審査会が下記要領で開催されます.
あしたになってしまいましたが,ご興味をもっていただける方は
奮ってご参加ください.
学位請求者: 川端 一光 
◇ 論文題目: 構造方程式モデリングによる一対比較型尺度構成法の開発
◇ 日  時: 2008年5月10日(土)11:00〜 
◇ 場  所: 戸山キャンパス39号館6階第7会議室 
◇ 対  象: 教職員・学生・一般 


★拙研究室で
「マルコフ連鎖モンテカルロ法 」という書物を公刊することになりました.
http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-12697-6/
シリーズ: 統計ライブラリー 
マルコフ連鎖モンテカルロ法 
A5/280ページ/2008年05月25日
ISBN978-4-254-12697-6 C3341
定価4,410円(税込)朝倉書店
豊田秀樹 編著
ベイズ統計の発展で重要性高まるMCMC法を応用例と理論の初歩を書きました.
特に心理統計学に重点を置いている点,式展開をくどいくらいに
丁寧にしている点が類書との相違点(セールスポイント)です.



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