日本大学大学院文学研究科の奥村泰之と申します 豊田先生,私が早稲田大学の第二文学部に在籍していた折りには, 大変お世話になり,まことに感謝しております。 さて,Rの件ですが,私は,学生統計ユーザーとして, 過去4-5年間で,20名前後の大学院生・学部生に非公式 (無給) で Rをお教えする機会がありました。 その際の,苦労した点ですが,主に以下の2点が苦労致しました。 (1) パソコンの基礎的な知識 (ブラインドタッチやパスなど) (2) 統計学の知識 まず,パソコンの知識のバラツキにより, どこから教えたらいいか,困惑しました。 Windowsユーザーが大半を占めますので, ブラインドタッチやショートカットキーの説明, 絶対パスと相対パスの説明から始める必要がありました。 次に,クリックをして統計的な理解をしないまま解析することが, 中々Rでは難しいため, 統計学の理論的な部分から説明する必要が生じました。 このことは,私のような統計学の知識が不十分な者が教える際に, より多くの統計学の学習時間を割く必要が生じる結果となりました。 つまり,私自身が,Rをお教えするために,Rの学習ではなく, 統計学の学習時間をかなり取る必要がありました。 以上,苦労した点を記載させていただきましたが, 学生ユーザーの私自身は,Rを利用していて, ほんとうに良かったと思っています。 「いつでも,どこでも,いつまでも」使えることは, 私のようなキャリアパスの不明瞭な大学院生にとって, とても頼りになるからです。 最後に,私の苦労話等を記載しているHPを公開しておりますので, お時間がありましたら,御高覧いただけると幸いです。 http://cat.zero.ad.jp/~zak52549/R.html > 2008/05/09 9:07 <toyoda (at) waseda.jp>: > > 豊田秀樹@早稲田大学です. > > > > ご無沙汰してます.関東地方はたびたび地震にみまわれています. > > 揺れるたびに「大地震かも」と避難の心の準備をしています. > > > > ★Rの話 > > すこし小生の近況を報告いたします. > > 一番の変化は分析のための言語を変更したことです. > > 20代の頃からずーとSASのIML一本やりで来ましたが,4年ほど前から > > Rというオープンソースの言語を使うようになりました. > > 1年ほど使ってから院生にも薦め,現時点では,心理統計学を研究するには > > もっとも適した言語(選択肢)であろうという印象を持つにいたりました. > > ここまでは専門のことなのであまりジレンマはないのですが > > 勢いあまって昨年から学部生の心理の必修の統計学の授業にも使うようになりました. > > 文系の学生にGUIでない言語を必修にするのには少なからず迷いもありましたが > > 1.SASやSPSSと違ってフルバージョンを学生は自宅に置いて学習でき > > 卒業後も使い続けられること > > 2.UNIXの流れをくむ,本格的な計算機言語という意味で > > 心理統計を離れても教養として優れていること > > などを考えると,まだ2年目ですが,Rを心理の学部の > > 必修言語にしてよかったのではないかと考えています. > > 私は40代の年寄りなのでIMLからRに乗り換えるときには, > > かなり大変でした.作業効率が上がらないし,今でも綺麗な > > プログラムを見ると「ああこうは書けない」とため息がでます. > > SASやSPSSに慣れた心理学者がRに転向するのは,想像以上に > > 大変なことなのかもしれません.心理学関係でRの教育をしている方が > > いらしたら,MLでそのご苦労話でも聞かせていただければ幸いです. ************************************* OKUMURA Yasuyuki Graduate School of Literature and Social Sciences Doctor Course of Psychology Nihon University 3-8-2-105 Sakura-josui, Setagaya-ku, Tokyo 156-0045 JAPAN e-mail: zak52549 (at) cat.zero.ad.jp yachu93 (at) chs.nihon-u.ac.jp *************************************
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