[fpr 3230] 調査研究セミナー(JMRA)



fpr の皆様

セミナーのお知らせです。
他のMLへの記事の転載をさせていただきます。

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JMRAのセミナー「マーケティング・リサーチの今を問う」担当JMRA委員の鈴木
です。
すでに久恒氏がセミナー案内を投稿されましたがPDF版がJMRAのHPに出ました。
http://www.jmra-net.or.jp/pdf/document/whatsnew/JMRAspecialseminar080617
color.pdf

JMRAは調査業界(調査実施機関と調査利用企業)の各社から委員を出して構成
する委員会活動をしており,今回のセミナーも,その中の調査技術研究部会が
企画しました。
この部会には2つ委員会「伝統的調査手法」と「インターネット調査」があり,
いわば伝統と革新の両面で研究しています。前者は横原氏(電通リサーチ・取
締役)が,後者は福羽氏(マクロミル・会長)が世話役として今回のセミナー
を企画しました。横原氏はネット調査の初期から課題と可能性を研究していま
す。http://www.ism.ac.jp/editsec/toukei/pdf/49-1-215.pdf
福羽氏は,セミナー当日の司会を担当される予定です。

私たちは,マーケティング・リサーチの「今を問う」て,将来の方向性を見極
めたいと考えています。調査機関はもとより,それを利用する企業の皆様にご
参加いただき,問題意識を共有できれば幸いです。

調査回収率が低下するなかで朝日新聞社の郵送調査が,きわめて高い回収率を
達成していることは,いろいろな影響を与えています。政府統計などでも郵送
法へ変更される例もあるようです。

松田氏はその工夫を報告してくださる予定です。しかし,皆さんも郵送法を
やってみて,パネル調査以外ではたいした回収率にならないという経験をして
いると思います。なぜ朝日は無作為抽出標本なのに高回収率なのでしょうか?。
工夫なのか,調査主体への信頼なのか,聞いてみたいですね。
JMRAからは,人々はどんな調査に協力するのか等を報告する予定です。

朝日調査のテーマも「信」で,これは2007年の象徴漢字が「偽」であったこと
の裏返しですが,調査環境の悪化を考える興味深い論文として吉野氏の「信の
崩壊−世論調査方法論の今日の課題−」があります。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/bsj/journal/journal_index_j.html#29.1

一方,インターネットの時代は別の環境変化です。すでに2005年にネット調査
が主流となり,故・小林和夫氏は「新聞研究」で,圧倒的に優位な,ただ1つ
の手法は存在しなくなった,と述べました。
http://www.pressnet.or.jp/pub/kk200507.html

消費行動も変化しており,ブログを中心としたCGMの研究も盛んです。今月は
JIMSとJACSが開催されましたが,クチコミ研究も多いようです。
繁桝氏の報告は,ネット調査でサンプリング法を工夫して研究したものです。
「ネットが変える消費者行動」に書かれた全体を踏まえて報告される予定です。
マーケティング研究者だけでなく,社会心理学者も,実務家もクチコミ研究
に注目ということでしょうか。

今ではブログ分析ツールが出てきて,バズ・マーケティングという用語さえあ
りますが私自身,濱岡氏のクチコミ研究が出始めた頃,マスコミあっての影響
力だろう,と考えていました。こんな関心事になるとは思いませんでした。
スノーボール・サンプリングにいたっては・・・。

また,林英夫氏がJAPORで郵送調査の研究を発表するのを聞いたことがありま
す。たいへん控えめな態度で発表されていましたが,当時は,どうして今更,
郵送法なんだろうと思って聞いていました。
林英夫氏は,郵送法の利点・欠点と流布されているものには「神話」というよ
うなたぐいのものを少なくない,と指摘していますが,朝日と松田氏は「神話」
を実話にしてみせたのでしょうか。

セミナー当日,皆様と会えるのを楽しみにしています。





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