[fpr 3433] 分布の歪みによる偏差値の変化

岡本安晴


  岡本@日本女子大学です。

森さんのメールなどを読んで、偏差値には一時変換によるZ得点の他に
正規分布に揃えるT得点もありますが、PCで計算を行う現代ではT得点も
算出しておけばよいのではと思います。

大西さんのメールを読んで以下のように疑問をもちました。

 まず、実技試験の平均値、中央値があげられていますが、これは
実技の評価が1因子で行われているということになります。実技が
1因子で評価できるという根拠、1因子性の妥当性の根拠はあるの
でしょうか。実技が多因子と考えられるとき、1つの得点で実技評価を
行うということは、多因子を基に考えるときはそれらの総合評価、
具体的には総和で実技評価を行っているということになります。この
総和得点の妥当性が問題になります。
 大学付属病院のようにグループで診断・診療が行われるときには、
総合得点による実技評価でもいいでしょう。しかし、個人診療の場合は、
総合得点だとある因子に対応する得点が低いとそれに対応する診療が
保証されません。すなわち、個人診療の場合は総合得点の妥当性に
問題があるということになります。

 不合格率が0.2%とか1.8%で問題であると書かれています。合格率が
何%であれば妥当性があるという根拠は何なのでしょうか。車の免許試験
の点数との比較もあげられていますが、何点ならよいという妥当性の
根拠も不明です。点数は試験を易しくすれば上がります。単なる点数だけを
問題にするのでは適切な妥当性の議論であるとはいえないと思います。
別の言い方をすれば、60点を合格ラインとすることの妥当性の根拠は
何なのでしょうか?

日本女子大学心理学科
岡本安晴





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