大西さん ご無沙汰しております。柴山@東北大です。いつも興味深く投稿メール 拝見しています。法科大学院の適性試験に関してまったく同じような 問題に直面していまして、今回もなるほどなるほどと読ませて いただきました。 合否規準を6割にするテスト文化(慣習?)、平均の設定目標を6割にする テスト文化等々は本当に根強いですね。テスト作成の際を例にとれば 100点満点中50点平均だと見た目が難しすぎるし、70点だと逆に やさしすぎるという理由、あるいはまた60点くらいにテストの難易度を 設定しておくと、合否ラインでの個人差の識別があがるという歴史的な 経験則でもあるのでしょうか。よくわかりません。 また岡本さんが指摘されている合否規準の妥当性についてですが、 伝統的には予測関連妥当性の観点からのアプローチがありますね。 ただこれは合否につかう尺度が毎年共通であるという前提が ないと、尺度上における「基準点」が設定できません。基本的に パフォーマンス・アセスメントを採用されているOSCEなどでは なおさら難しいと思います。その結果、結局いきつくところは 相対評価が一番納得されやすいというジレンマに陥るという構造に なっているような気がします。 いずれも毎年単発で入試問題などを作成し公表しなければならい、 いわゆるテスト問題の使い捨て文化(?)がその根っこにあるのかも しれませんね。 以上、とりとめない感想です。 ------------------------------------------------------- 柴山 直 (SHIBAYAMA Tadashi) 東北大学大学院 教育学研究科 〒980-8576 仙台市青葉区川内27-1 TEL: 022-795-3738 E-mail: sibayama (at) sed.tohoku.ac.jp 教育設計評価専攻:http://www.sed.tohoku.ac.jp/lab/deseva/index.html -------------------------------------------------------
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