[fpr 3451] 先頭集団効果

南風原朝和

岡本さん,皆様

ご教示ありがとうございます。

ご指摘のように,理論モデルとしてふた山分布を設定しても,尺度化等の
計算は可能かと思いますが,多くの学力テストのように明確な理論モデル
がない場合,そして,得点尺度が(正規化のような)非線形変換を許容す
る順序尺度の水準のものと考える場合,

> 「分布がふた山になって,学力が二極化している」というような議論

はできないことになりますね,というのが先の[fpr 3449] の趣旨でした。
たとえば正規化した偏差値(T得点)にすれば,ふた山もひと山になって
しまいますから。


Yasuharu Okamoto さんからの引用:

> 南風原さんからの引用:
> 
> > 耳にする「分布がふた山になって,学力が二極化している」とい
> > うような議論も,得点の尺度にどのような前提をおくかが関係し
> > てきますね。
> 
>  ベイズ的方法の場合、MCMCというシミュレーション方が実用化されて
> います(普通のPCで実行可)ので、プログラミング可能な分布であれば
> 原則として対応可能(計算時間が現実的という制限内で)であると
> 思います。
> 
> 日本女子大学心理学科
> 岡本安晴
> 
> > -----Original Message-----
> > From: 南風原朝和 [mailto:haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp]
> > Sent: Monday, February 21, 2011 12:10 PM
> > To: fpr ML
> > Subject: [fpr 3449] Re: 先頭集団効果
> >
> > 守さん,皆様
> >
> > Kaz Mori さんからの引用:
> >
> > > On 2011/02/19, at 12:35, 豊田秀樹 wrote:
> > > > 一次変換による偏差値が、分位から知られる個人の位置のイメージから
> > > > ずれることがあるのは、比較的よく知られています。
> > >
> > > これには何か名前がついているでしょうか?
> >
> > 分布の歪みの方向によって,中央値が平均より大きくなったり,
> > 小さくなったりする(したがって,順位中央の人の偏差値が50
> > より大きくなったり小さくなったりする)ことについては,
> > たとえば
> >
> > ・池田央「統計的方法I 基礎」(新曜社)の61頁
> > ・吉田寿夫「本当にわかりやすい・・・」(北大路)の53頁
> > ・森・吉田「心理学のためのデータ解析テクニカルブック」(北大路)の18頁
> > ・Hays, W.L.  Statistics (5th ed.) の181頁
> >
> > などに図解があり,広く知られていることかと思います。
> >
> > Haysは,「分布が対称なら平均=中央値だけど,逆は必ずしも
> > 正しくない」という注意もしています。
> >
> > あと,得点の尺度や正規化の話題も出ていますが,ときどき
> > 耳にする「分布がふた山になって,学力が二極化している」とい
> > うような議論も,得点の尺度にどのような前提をおくかが関係し
> > てきますね。
> >
> > ----
> > 南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
> 
> 
> 

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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