[fpr 3468] 原子炉建屋で働く「被ばくボランティア」

岡本安晴


 岡本@日本女子大学心理学科です。

 心理学研究法に関連して疑問に思っていることを書いてみました。

 被曝の影響についてですが、テレビ等で説明されていることに
時間的加重 temporal summation (TS) のことがあります。しかし、
TSが成り立つには条件があるはずです。そのことは全く説明されていません。
 TSを考えるときの要因の1つが閾値ですが、被曝の場合、少なくとも
2種類の閾値が考えられます。
 放射線がDNAに与える影響自体は物理現象なので、分子構成の変化に
必要な最小のエネルギーがあるはずです。これが、閾値の1つです。
 もう1つは、自然にも放射線が存在するので、原発による放射線による
影響が自然放射線による影響を越えて認められるための最小の原発に
よる放射線量も存在するはずで、これが2つめの閾値です。
 また、TSが成立する機構、つまり被曝におけるTSのモデルを明確に
しておく必要があります。これは、TS成立の条件を考えるときに必要です。

 これらについての説明が何もなく、被曝の影響が議論されていることに
いろいろと問題を感じています。専門家が専門的立場から説明なさるときには、
TSの内容についてもう少し詳しく説明して下さる機会があってもよいと思います。
これは、被曝のリスクの有無を科学的に正しく評価し議論するための前提である
と思います。

日本女子大学心理学科
岡本安晴





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