麓です。 ありがとうございました。説明を読んでいると、「標本統計量の理論分布」の略と取れますが、そうすると、平均値だけではなく標準偏差も統計量なので、標準偏差の分布も含まれます。分散の同一性検定もありますから、統計学上は正しい概念なのだと思いますが、そう説明すると学生も混乱するので、標本平均値の理論分布のみを説明して、検定の説明は「等分散を仮定して・・。」だけを説明しています。 市川さんの本を使っていますが、ここでは、平均値の理論分布として「標本分布」という言葉を使っています。石井さんのような説明をして、「ただしこれからは平均値の分布を主に取り上げるので標本分布とは断らない限り標本平均値の理論分布を指す」とすればいいように思います。ただし、標本分布が平均値分布を著すように特化して使われるようになっているのであれば別ですが。 Hidetoki Ishii <z47783a (at) cc.nagoya-u.ac.jp>さん: > 石井です. > > 私は以下のように説明しています. > > --- > 標本平均,標本相関係数など,標本から構成される > ある特性を表す量(関数)を「統計量」という. > > もし,抽出する標本が異なっていたら,標本平均や > 標本相関係数などの統計量の値は変わってくる.その > 様相を表す分布を「標本分布(sampling distribution)」 > という. > > 標本分布は,もし異なる標本が抽出されていたらと > いう場合を想定したときの,統計量についての理論上, > 概念上の分布であり,観測値の分布を表す「度数分布」 > とは異なる. > > sampling distribution の訳としては,「標本抽出 > 分布」や「サンプリング分布」などのほうが意図が正 > 確に伝わるかもしてないが(そう指摘している書籍も > ある),昔の人が「標本分布」と訳し,それが定着し > てしまった. > --- > > > 標本抽出を繰り返すと説明すると,サンプルサイズ > はいつも同じなんですか? という質問が必ず出ます. > > 標本は母集団の一部だから,もし違う部分を取って > きてたら,という想定のほうが,標本,ひいては統計 > 量,が確率変動することがイメージしやすいのかなと > 感じています. > > > > 石井秀宗(Hidetoki Ishii) > 名古屋大学 大学院教育発達科学研究科 > > > > (2011/06/28 17:36), fumoto (at) cc.hirosaki-u.ac.jp wrote: > > 弘前大学の麓です。 > > > > 標本数は一段落したようですが、もう1つ、日頃おかしいと思っている言葉をみなさんがどう説明しているかお聞かせください。 > > 私は統計の専門家ではないのですが、誰もいないので教えています。Σのイメージがわかない学生相手なので、他課程の専門家に任せるわけにもいかず何とかやっていますが、「標本分布」を教えるのに苦労しています。普通に言葉を聞くと標本がどう分布しているかを著す概念のように聞こえますが、「標本収集を無限回繰り返した時の各回の平均値の分布を条件を設定した理論から導いた理論分布」を短くしたのが正解だと思いますが、これで正しいでしょうか。日本語の「標本分布」からはそういうイメージがなかなか浮かばないと思いますが・・・。 > >
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