麓様,fprの皆様 少数例の検定の特徴としては以下のようなことが挙げられます。 1.検定力が低い(母集団効果量がかなり大きくても検出できない可能性が高い) 2.前提条件からの逸脱に関する検定の検定力も低い 3.前提条件が満たされないときの頑健性が低い 上記2より,前提条件からの逸脱に関する検定で有意にならなかったとしても,あ まり積極的な意味はないことになります。 一方,前提条件さえ満たされていれば,少数例であっても検定としては有効です。 また,少数例で有意な結果が得られた場合,多数例でぎりぎり有意な結果が得られ た場合に比べ,標本統計量は大きな値であったことになります。ただし,少数例だ と,母集団効果量については一般に幅の広い信頼区間しか提供できません。 ※ N=3のどのような研究であったのか興味がありますので,個人的にでも結構で すので,差しさわりなければ教えてください。 fumoto (at) cc.hirosaki-u.ac.jp さんからの引用: > 初歩的なことですがご教示下さい。 > > 研究論文を読んでいて、N=3で分散分析をしているのにぶつかりました。少 数ではダメだと書いてあるのを読んだ気がしていたので手元にある統計書をいくつ か見たのですが、書いてあるものが見つかりませんでした。ウェブを見ると「そも そもn=3で有意差を求めようという発想自体がナンセンス」などという記述はありま した。 > 私もそう思うのですが、「Nが3でも、等分散検定もやって、きちんと処理し た」と言われた時に、何と答えるのでしょうか。また、「それでは、Nが5ならい いのか」と聞かれた時は何と答えたらいいのでしょうか。N=10ぐらいなら、い くつも論文がある気がしますが・・。 > 初歩的なことですが、お答えいただければ幸いです。またわかりやすく説明し ている本があればご紹介ください。 > > ちなみに、検索していたら、実際にコンピュータで分散分析をシミュレーショ ンした論文がありました。でも、Nを10から50まで変えた計算をして結果を比 較しており、10以下での分散分析など発想外のようです。 > > 弘前大学教育学部保健体育講座 麓 信義 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp
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