fprの皆さま 石井@名大教育です. 単純主効果の検定について学生に聞いたところ,「ANOVA君」 を使ってRでできるということを聞きました.先頃,ようやく送ら れてきた2012年度の教育心理学年報にもそのような記述がありました (p.71). 実際に分析してみると,確かに被験者間要因については正しく単純 主効果の検定をしてくれました(2要因までしか確認してませんが). しかし,被験者内要因については,水準ごとにデータを区切った 分散分析の結果を表示するようです(少なくとも1B1W要因の分 析ではそうでした). 「ANOVA君4.3.3」の技術情報にも確かに, > # 2)pro.fraction関数は,単純主効果の検定において誤差項をプールしない(水準別誤差 項を使用;サブセットに分散分析を再適用するのと同じ) と書かれています. 被験者内要因についても,残差項はプールして算出しますし, その手続きを解説している書籍もあります(例えば,山内光哉 心理・教育のための分散分析と多重比較 サイエンス社 2008). 他のサイトに書くべきことかもしれませんし,すでに気づ かれていることだったかもしれませんが,学生の間に,被験 者内要因の単純主効果の検定はスライスデータの分散分析で 良い,という誤信念が定着しないことを願い,ここに書いて みました. なお,被験者間要因の単純主効果は,phiaパッケージの testInteractions関数を使って, testInteractions(lmオブジェクト, fixed="x1", across="x2") のように設定して分析することも可能みたいです. ------------------------------------- 石井秀宗(Hidetoki Ishii) 〒464-8601 名古屋市千種区不老町 名古屋大学 大学院教育発達科学研究科 TEL 052-789-2650 http://psych.educa.nagoya-u.ac.jp/ -------------------------------------
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。