[fpr 3629] 単純主効果の検定

ISHII Hidetoki

fprの皆さま

 石井@名大教育です.

 単純主効果の検定について学生に聞いたところ,「ANOVA君」
を使ってRでできるということを聞きました.先頃,ようやく送ら
れてきた2012年度の教育心理学年報にもそのような記述がありました
(p.71).

 実際に分析してみると,確かに被験者間要因については正しく単純
主効果の検定をしてくれました(2要因までしか確認してませんが).

 しかし,被験者内要因については,水準ごとにデータを区切った
分散分析の結果を表示するようです(少なくとも1B1W要因の分
析ではそうでした).

 「ANOVA君4.3.3」の技術情報にも確かに,
> # 2)pro.fraction関数は,単純主効果の検定において誤差項をプールしない(水準別誤差
項を使用;サブセットに分散分析を再適用するのと同じ)
と書かれています.

 被験者内要因についても,残差項はプールして算出しますし,
その手続きを解説している書籍もあります(例えば,山内光哉
心理・教育のための分散分析と多重比較 サイエンス社 2008).


 他のサイトに書くべきことかもしれませんし,すでに気づ
かれていることだったかもしれませんが,学生の間に,被験
者内要因の単純主効果の検定はスライスデータの分散分析で
良い,という誤信念が定着しないことを願い,ここに書いて
みました.


 なお,被験者間要因の単純主効果は,phiaパッケージの
testInteractions関数を使って,
testInteractions(lmオブジェクト, fixed="x1", across="x2")
のように設定して分析することも可能みたいです.





-------------------------------------
石井秀宗(Hidetoki Ishii)

〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学 大学院教育発達科学研究科
TEL 052-789-2650
http://psych.educa.nagoya-u.ac.jp/
-------------------------------------



スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。