[fpr 3631] 単純主効果の検定

ISHII Hidetoki

南風原先生 皆さま

 Aを被験者間要因,Bを被験者間要因とした混合計画を考えます.宮本・山際・田中
(1991)で述べられていることは,

 Aの各水準aiにおける被験者内要因Bの単純主効果の検定には,全体分析におけるBに対
する残差を用いる

 Bの各水準bjにおける被験者間要因Aの単純主効果の検定には,データを併合することに
よる問題をはらんだ,しかも,複雑な補正の手続きまでして,プールされた残差を使う必要
はなく,bj水準データにおけるAの残差を用いたほうが,問題も解消されるし,しかも簡潔
である

ということと理解しました.


 ANOVA君では,Bの各水準bjにおける被験者間要因Aの単純主効果は,bjごとにデー
タをスライスして,そのデータだけで分散分析をしていますので,プールされた残差ではな
く,bj水準データにおけるAの残差を用いています.

 Aの各水準aiにおける被験者内要因Bの単純主効果の検定も,aiごとにデータをスライス
して,そのデータだけで分散分析をしていますので,全体分析におけるBに対する残差では
なく,ai水準データにおけるBの残差を用いています.


 当初メールの
>>  被験者内要因についても,残差項はプールして算出しますし,
は,
被験者内要因については,全体分析における残差項を用いますし,
と書くべきでした.





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石井秀宗(Hidetoki Ishii)

〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学 大学院教育発達科学研究科
TEL 052-789-2650
http://psych.educa.nagoya-u.ac.jp/
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(2013/09/13 9:02), 南風原朝和 wrote:
> 石井さん,fprの皆様
> 
> 宮本・山際・田中 (1991) の,水準別誤差項を用いることに
> ついての説明が参考になると思います。
> https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy1926/62/3/62_3_207/_article/-char/ja/
> 
> 
> ISHII Hidetoki さんからの引用:
> 
>> Date: Thu, 12 Sep 2013 17:47:34 +0900
>> From: ISHII Hidetoki <ishii.hidetoki (at) b.mbox.nagoya-u.ac.jp>
>> Subject: [fpr 3629] 単純主効果の検定
>> To: fpr (at) psy.chubu.ac.jp (fpr ML)
>>
>> fprの皆さま
>>
>>  石井@名大教育です.
>>
>>  単純主効果の検定について学生に聞いたところ,「ANOVA君」
>> を使ってRでできるということを聞きました.先頃,ようやく送ら
>> れてきた2012年度の教育心理学年報にもそのような記述がありました
>> (p.71).
>>
>>  実際に分析してみると,確かに被験者間要因については正しく単純
>> 主効果の検定をしてくれました(2要因までしか確認してませんが).
>>
>>  しかし,被験者内要因については,水準ごとにデータを区切った
>> 分散分析の結果を表示するようです(少なくとも1B1W要因の分
>> 析ではそうでした).
>>
>>  「ANOVA君4.3.3」の技術情報にも確かに,
>>> # 2)pro.fraction関数は,単純主効果の検定において誤差項をプールしない(水準別誤差
>> 項を使用;サブセットに分散分析を再適用するのと同じ)
>> と書かれています.
>>
>>  被験者内要因についても,残差項はプールして算出しますし,
>> その手続きを解説している書籍もあります(例えば,山内光哉
>> 心理・教育のための分散分析と多重比較 サイエンス社 2008).
>>
>>
>>  他のサイトに書くべきことかもしれませんし,すでに気づ
>> かれていることだったかもしれませんが,学生の間に,被験
>> 者内要因の単純主効果の検定はスライスデータの分散分析で
>> 良い,という誤信念が定着しないことを願い,ここに書いて
>> みました.
>>
>>
>>  なお,被験者間要因の単純主効果は,phiaパッケージの
>> testInteractions関数を使って,
>> testInteractions(lmオブジェクト, fixed="x1", across="x2")
>> のように設定して分析することも可能みたいです.
>>
>>
>>
>>
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>> 石井秀宗(Hidetoki Ishii)
>>
>> 〒464-8601 名古屋市千種区不老町
>> 名古屋大学 大学院教育発達科学研究科
>> TEL 052-789-2650
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